天皇杯準々決勝に快勝


クリスマスイブのサイスタで川崎との天皇杯準々決勝を観戦した。


1224:天皇杯準々決勝:川崎フロンターレ:サイタマスタジアム2002

クリスマスイブの今日、カミさんと食事に行くでもなく、一人でサイスタに向かってい
る。天皇杯の準々決勝の相手は川崎フロンターレとなっていた。川崎とはリーグ戦で疑
惑の得点取り消しなどがあって因縁の対決となっており、川崎にとってはそのリベンジ
の戦いになる。当然レッズも承知の上で、返り討ちにしなければ国立に行けない。お互
いに高いモチベーションがあって、今日の試合の予測を難しくしている。      

クリスマスイブ、サイスタに向かう道は北風で寒い寒い・・ バックロアー6列目から見るピッチはこんな感じ。

席はバックロアーの前から6列目で自由席の柵から2番目の席だった。こんな低い位置
からピッチを眺めるのは初めてだった。右にはゴール裏自由席が広がっていて、応援の
声がすぐ近くに聞こえる場所だった。今日もゴール裏は満席で、これから始まる戦いを
静かに待っている。私の横はどうやら、あるチームのエリアらしく親子連れが挨拶を交
わしながら席を譲り合っていた。中心は熱いゴール裏だが、端の方はこういった家族連
れが多く、声が出ていないとか、跳ねていないとかの批判が起きているようだ。まあ、
いろいろあって良いのではないかと思う。                    

選手がアップを始めるとゴール裏も活気づいてくる。 そして、スタメンの発表で爆発する。

選手のアップが始まり、ゴール裏は一気にヒートアップした。大旗が振られ天皇杯が最
後となるマリッチにコールがかかり、ポンテのコールも続く。選手の動きは良いようだ
。スタメンの発表になったが、いつものリーグ戦と違って天皇杯は淡々としたもので、
何だか拍子抜けしたような気分だった。ホーム側から眺めるスタンドには空席もチラホ
ラと見える。クリスマスイブとあってはさすがのレッズサポも試合にだけ専念出来る訳
でもないようだ。川崎のサポーターは数が少ない割に声が良く出ている。最上段に掛け
てある「相馬直樹」の横断幕が目に飛び込んでくる。あの相馬直樹が今シーズンで引退
を表明しているのだ。今日はその勇姿を目に焼き付けておかなければならない。   

試合開始を今か今かと待つバックロアースタンド。 やっとキックオフの笛が鳴る。

歓声の中でキックオフ。手を叩き、声を張り上げる。選手の動きは良いようだが、今日
初スタメンの細貝萌(はじめ)のディフェンスが注目される。必死に走ってはいるが、
対面のフッキに押されているようだ。頑張れはじめ! やはり川崎の狙いは細貝の右サ
イドだった。相馬が引退する選手とは思えない鋭い上がりを見せ、フッキと絡んで鋭い
クロスを上げる。我那覇の調子が良かったら前半で2点くらい取れられたかも知れない
。ここを何とかしのいだレッズが徐々に盛り返していく。このところ毎試合同じような
展開だ。なぜもっと早くエンジンがかからないのかなあ?             

ともに最後の詰めが甘く、点が入らない。このまま前半を終えようかというロスタイム
に川崎の森がアレックスを倒してこの日2枚目のイエローで退場になった。すぐに前半
が終わってハーフタイムに入ったが、一人少なくなった事がレッズにとって良かったの
かどうか・・・今まで何度も数的優位を生かせなかった記憶がよみがえる。日差しが当
たって暖かかったバックスタンドも日陰になったとたん、寒さが襲ってきた。思わずウ
イスキーとポットのお茶で体を暖める。12月末のサッカー観戦は寒さとの戦いでもあ
る。今日も完全防寒なのだが、一気に日陰になるとその落差が大きく、やけに寒く感じ
ていた。手拍子の為に手袋が出来ないので両手から体温が逃げていくようだ。    

後半、一人多いはずのレッズだったが、案の定動きが悪い。人数が多いのが分からない
ようだ。後半の見どころは、目の前で展開される相馬直樹と岡野のマッチアップだった
。岡野が余っているため、必然的に岡野にボールが来る展開になる。そこからの二人の
勝負は実に見どころが多かった。岡野にボールが入る、相馬が縦を切る、フェイントか
ら突破を図る岡野、そうはさせじと相馬がピタリと付く、ゴールライン際の攻防から岡
野がクロスを上げられるかどうか・・・元日本代表同士の迫力ある攻防が目の前で展開
されるのだからたまらない。どちらも素晴らしかった。特に相馬は引退を宣言した選手
とは思えない素晴らしい動きだった。                      

川崎は後半にマルクスを下げて、ディフェンスを固めた。これが勝負のあやだったかも
しれない。ポンテのコーナーキックをマリッチがバックステップで下がってマークを外
し、ドンピシャのヘッドをゴールに叩き込む。レッズ待望の先取点。これで勝負が決ま
った。マルクスのいない川崎は攻めようにもその手段を失っていた。レッズもこういう
試合でセットプレーの得点が出来るようになったのが素晴らしい変化だ。そして後半の
38分、流れの中で岡野のクロスを堀之内が飛び込みようなヘッドで追加点を上げた。
このだめ押しで今日の勝利を確信した。そして、そのままゲームが終わった。    

待ちに待ったマリッチの先制点。ゴール裏も爆発する。 マリッチの故郷クロアチアの赤白チェッカー旗が振られる。


堀之内の2点目が決まって大喜びのゴール裏。 マッチアップする岡野と相馬直樹。今日の名勝負だった。


タイムアップの笛が鳴った。2対0の完勝!サポーターも大喜び。

ジュニーニョのいない川崎は詰めが甘かった。前半をしのいだレッズディフェンスの勝
利だったように思う。岡野と細貝は良くやった。図らずも相馬直樹のラストゲームにな
った試合だったが、目の前でその雄姿を目に焼き付けることが出来たのもラッキーだっ
た。少なからず思い入れのある選手だったので、最後に「お疲れさまでした」と声をか
け、拍手で送った。ぜひ素晴らしい指導者になってJリーグに戻ってきてもらいたい。
相馬直樹選手、お疲れさまでした。                       

赤いサンタが持ってきたクリスマスプレゼント。粋な演出に驚かされた。

勝利の挨拶に場内を廻る選手が「Merry Christmas To All Reds Supporter`s」と書
かれた赤い横断幕を掲げてくれた。サポーターへの粋なクリスマスプレゼントだった。
まあ勝ったからこその演出だったと思う。勝利こそが何よりのプレゼントなのだから。

最後はもちろん、これ。勝利の歌を高らかに歌う至福のひととき。



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