Jリーグセカンドステージ名古屋戦観戦記


この試合、勝つか引き分けで優勝が決まる。
11月20日、駒場スタジアムでの名古屋戦を観戦した。


1120セカンドステージ:名古屋戦:駒場

今日勝てば、いや、引き分けでも優勝が決まる。駒場は異様な雰囲気だった。スタジア
ムに入れず、外で声を枯らしているサポーターもいる。私も普段の観戦とはまったく違
って、ふわふわしたような気分だった。手に持った史上最大の紙吹雪作戦に使うためた
めの紙吹雪が入った袋が重かった。席に着くと各席の上に有志が作った紙吹雪用の紙が
まとめて置かれていた。今日のためにロッソ・ビアンコ・ネロという演出チームが考え
たのが史上最大の紙吹雪作戦。駒場スタジアムに今日撒かれる紙吹雪は4トントラック
7台分にもなるという。サイスタは紙吹雪禁止なので、この日を駒場で迎えられたのは
幸運だったかもしれない。紙吹雪を準備している段階から、これを撒く日に優勝するん
だと気分を盛り上げていたので、その日に平常心でいられないのは致し方ない。   

各席に置いてあるビニール袋には紙吹雪が入っている。 出島には名古屋サポが小さくまとまって旗を振っている。


選手のアップが始まった。決戦のムードが盛り上がってくる。


スタメン発表時には旗を振って応援する。 全ての準備を終え、選手入場を待つスタジアム。

選手入場。駒場に響き渡るファーストインプレッションの高音に合わせて、目の前が真
っ暗になるくらい大量の紙吹雪がスタジアムいっぱいにばらまかれた。撒かれたものを
集めてまた投げる。力一杯上空に投げる。スタジアム全体が一瞬狂騒状態になった。自
分で見ることができないのが残念だが、これを見て欲しいのは選手たち。選手がこの特
別な日の戦いに闘争心を奮い立たせてくれればそれでいい。            

史上最大の紙吹雪が選手入場に合わせて空にまかれた。 目の前は真っ暗、選手には真っ白に見えている・・はずだ。


その勢いで試合開始!選手がピッチを駆け抜ける。

試合が始まった。ところがレッズは気持ちが空回りしているのか出足が悪い。パスが足
元ばかりになって、どうもスピードに乗れない。どちらかというと名古屋がレッズ得意
の早いパス回しのサッカーをしている。レッズは足元パスだけでポゼッションしようと
しているため、何度も名古屋の鋭いカウンターを喰らい、闘莉王が必死にクリアする場
面が増えてきた。このまま終わるかと思われた前半終了間際の40分、鮮やか過ぎるカ
ウンターでDFを突破され、マルケスの職人技ヒールキックで先制されてしまった。お
いおい、大丈夫かよ・・・何やってんだぁ。スタジアムにざわめきが広がる。そんな雰
囲気のままハーフタイムになってしまった。                   

選手の勢いが空回りして、難しい試合になってしまった。

後半になっても流れは変わらなかった。しかし、審判のジャッジが微妙にレッズに有利
な笛が多くなってきた。会場の雰囲気がそうさせたのか、西村さんのジャッジが名古屋
を苦しめることになる。後半11分に名古屋の大森が2枚目のカードで退場。名古屋は
一人少ない戦いとなる。しかし、この数的有利をレッズは生かせない。逆にあろうこと
か、角田に追加点を許してしまう。なんてこった・・・なぜ一人多いのにこんなことに
なってしまうのか。勝つには3点取らなければならなくなったレッズは力押しに押すが
ゴールの生まれる気配はない。そんな中、後半終了間際今度はクライトンが2枚目のイ
エローで退場になった。レッズは二人多い状態でさらに押し上げる。そしてエメがペナ
ルティエリアで倒されてPKを得た。これを冷静に決めて1−2としたがそのままタイ
ムアップ・・・引き分けでも優勝の試合に負けてしまった。            

がっくりと肩を落としてうなだれる選手、静まりかえるスタジアム。しかし、どこから
か歓声のようなものが聞こえて、だんだん大きくなってくる。その瞬間、場内アナウン
スがあった。「ガンバ大阪が負けました! 浦和レッズ、優勝です!」場内が歓声に包
まれる。そうだ、その手があったんだ、と今更のように気が付いた。相手が負けること
は考えていなかった。2004年Jリーグセカンドステージは我が浦和レッズが優勝し
たのだ。初優勝だあ!バンザーイ!                       

場内アナウンスにスタジアムが爆発した。優勝だあ!!


勝ったぞ〜!紙吹雪が蒔かれる。 観客は総立ちで選手を讃える。


双眼鏡で選手の表情を見てるカミさん。 選手の場内一周。割れんばかりの歓声と拍手。そして紙吹雪。

スタジアムが歓声と紙吹雪に包まれて、ピッチでは表彰式が始まった。初めは照れくさ
そうな表情だったけど、そのうちに全員が満面の笑顔になっていった。山田が高々とト
ロフィーを掲げて全員でバンザ〜イ。いや、素晴らしい。選手の場内一週はじつに感動
的だった。スタンドは全員総立ちで両手を振って選手を讃える。それに応える選手の笑
顔。みんな最高の笑顔だった。試合に負けて優勝なんて・・何ともレッズらしい(笑)

選手が勢揃いして優勝の記念写真を撮っている。 私とカミさんも優勝の記念写真を撮った。

スタジアムを後にして浦和の街に繰り出す。カミさんと二人で食事をしてから街の喧噪
に身をまかせるように歩き出した。この日の浦和は日本ではなく、どこか別の国のよう
だった。通りには人が溢れ、そこかしこでレッズの応援歌が歌われ、かけ声や手拍子が
繰り返されていた。歌とも叫びともつかない声や歓声がいつまでも続いていた。   

居酒屋リキのおやじさん。今日はもう大変なことになりそう。 すれ違う人ごとにハイタッチ!みんな優勝に弾けている。


人が集まると事前にコールが始まる。選手の応援歌も歌われる。


リキの前は群集でもみくちゃになっている。 どこからともなく発煙筒がやってきた。


この発煙筒がまた気分を盛り上げる。歓声とにコールが起こる。 熱狂と狂乱と歓喜の渦がグルグル回り出す。


発煙筒の赤い光と回転するフラッグに導かれて歓喜の行進が始まった。 中山道のレッドボルテージ前で優勝コールが行われた。


行進はさらに続く。両側の家々からも祝福のコールが起こる。 サポーターの歓喜はいつまでも続いていた。

自然に人が集って歌う、そのうちに行進が始まった。優勝の喜びをみんなで分け合おう
と、フラッグを振りながらそれに参加する。行進は居酒屋リキから中山道のレッドボル
テージ前を通り、もう一度伊勢丹方向に戻る短い距離だったが、発煙筒を先頭にフラッ
グの海が続き、応援歌とかけ声がとぎれることなく歌われた。両側の家々の窓も開けら
れて、そこには両手を振って声援してくれる人の姿があった。街の人もみんな一緒に喜
んでいる。この日は終電まで浦和で騒いでいた。 楽しかった。          

私もこの特別な日を心ゆくまで楽しんだ。 駅で帰って来る人に対して優勝報告をやっていた。



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