ダービーに快勝!首位奪還へ
地鳴りのようなブーイングが響き渡ったスタジアム。大宮との因縁の対決に快勝。
4月29日(土)J1リーグ 第10節:大宮アルディージャ:サイタマスタジアム2002
浦和美園駅はサポーターでごった返していた。
スタジアムへの途中で雨が降ってきた。
何が起こるか分からないダービーマッチ。大宮との一戦は何だか緊張する。天気予報は
雨になっていたが、出かけた時はまだ降っていなかった。浦和美園駅からスタジアムへ
歩いている時に細かい雨が落ちてきた。急いでスタジアムに入り、雨を避ける。大した
雨ではなかったので、そのまま席に着き選手のアップを見守っていた。スタメン発表時
の土屋へのブーイングが凄かった。土屋もなぜ大宮に来たのだろうか?来ればダービー
ということもあり大ブーイングされることは分かっていたはずなのに・・・。昨年の駒
場での柏戦、達也が土屋に削られて複雑骨折し、ワールドカップ出場がほぼ絶望的にな
った事は誰も忘れていない。レッズサポはこの日を待ち望んでいたのだ。土屋に正々堂
々と自らの声でブーイングできるこの日を。
今日のマッチデイプログラムの表紙は都築。
大宮サポーターもたくさん入って、熱気に満ちていた。
試合開始早々から土屋がボールを持つたびに地鳴りのような大ブーイングが湧き上がっ
た。誰に指示された訳でもなく、音頭を取った訳でもなく応援コールとは別にブーイン
グが発生した。ゴール裏以外の全ての場所から発生したと言っていい。達也がいかにサ
ポーターに愛されていたかを示す声の大きさだったし、これ以上同じような目に選手を
合わせたくないという切なる願いだったかもしれないし、単に土屋が許せないという思
いからだったかも知れない。レッズの応援は凄い、と良く言われるが、今度からはレッ
ズのブーイングは凄い、と言われるようになるかもしれない。自然発生したブーイング
がこれほど迫力あるものになろうとは正直思わなかった。5万人の声は凄い。
選手の入場に一段と大きな歓声と拍手が湧き上がる。
ワシントンの得点に大喜びのスタジアム。
試合は桜井を中心に荒れ模様となり、両陣営入り乱れてのにらみ合いもあった。どちら
も守備的に試合を進めるため、決定的な場面は少なく、セットプレーの肉弾戦がはげし
くなっていく。小競り合いやら小突き合いやら、主審の仲裁も忙しくなってきた。そん
な中、啓太が桜井に殴られた。熱くなる啓太を周りが必死になだめる。これが伏線にな
り、桜井へのチャージが激しくなり、ついにはイエローをもらってしまう。しかし、前
半32分。小野が強烈な回転をかけたスルーパスをワシントンに送る。先にボールに向
かった大宮ディフェンダー二人の間をバウンドする毎に角度を変えるボールが足元をす
り抜けワシントンに届いた。ワシントンはそれを冷静にゴールに流し込み、待望の先制
点。これは嬉しかった。
1点リードの状態で後半が始まった。しかしなかなか追加点が奪えない。小野も長谷部
も積極的に前に上がるのだが最後のシュートに正確性が無かった。大宮も小林大悟を中
心にレッズのゴールに攻め込んできたが、こちらも最後のシュート精度を欠き得点する
ことが出来ない。レッズに緊張が走ったのは後半残り10分だった。啓太が2枚目のイ
エローで退場になってしまったのだ。この日の啓太は前半の桜井とのやり合いから冷静
さを欠いていたのかもしれない。問題は残り10分を啓太なしで守らなければならない
という事だった。しかし、大宮の攻めも迫力が無く、一人少なくなったハンデは感じな
かった。そしてロスタイム。ワシントン、堀之内、永井が怒濤のカウンターを仕掛けた
。最後は永井のシュートがコロコロとゴールに吸い込まれて待望の2点目が入り、これ
で試合は決まった。そのままタイムアップの笛が鳴った。
永井のだめ押し点が入り大喜びのスタジアム。
ヒーローインタビューを受けているワシントン。
終わってみれば2対0の快勝。大宮は昨年より迫力が無くなっていた。やはり大勢の入
れ替えを行うと微妙に連携が取れないようだ。しかし、大宮との一戦は相手が熱くなる
のか、レッズの選手が熱くなるのか、カードとケガが多い。この日だけでも都築、アレ
ックス、堀之内が負傷した。そして啓太はイエロー2枚で次節出場停止。達也を削った
土屋、浦和を目の敵にする桜井と役者も揃っている。ダービーだから盛り上がるのか、
ダービーとして盛り上げようとしているのか、どちらとも言えないが大宮にだけは負け
たくないのがレッズサポーターの本音だ。勝って良かった。今夜の酒は旨いぞ。
5万人の幸せな人々。
快勝にご満悦。
4月29日(土) 2006 J1リーグ戦 第10節
浦和 2 - 0 大宮 (15:04/埼玉/54,774人)
得点者:'32 ワシントン(浦和)、'89 永井雄一郎(浦和)
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