勝利への執念で負け、ナビスコ終了
準々決勝第2戦は2対1で負け、合計5対5ながらアウェイゴール数で負け落ち。
6月7日(水)ナビスコカップ準々決勝第2戦:川崎フロンターレ:等々力陸上競技場
平日だというのにこの人出は凄い。試合開始1時間前だというのにゴール裏は8割方埋
まっていた。空席を探して2階に行ったが、空いている席にはハトの糞が落ちていて汚
れていた。凄い汚れようだが、空席はその周辺にしかないので上を注意しながら座るこ
とにした。等々力に来るのはレッズが降格した年のヴェルディとの試合以来の事なので
なんだか懐かしい。あの時は終了間際に北澤に同点ゴールを決められて降格に一歩近づ
いた試合だった。だから等々力はあまり良い印象はない。遠く沈んでいく夕日をぼんや
りと眺めながら、昔のことを思い出していた。
ハトの糞で汚れているスタンドの席が多かった。
駒場と同じでトラックがあるためピッチが遠い。
選手がピッチに現れアップが始まった。
軽快なアップが続いているがポンテの姿がどこにも無い。
証明に灯が入り、ピッチでは選手のアップが続いていた。しかし、どこを見てもポンテ
の姿がない。やはり足の故障という噂は本当だったのか。嫌な予感が頭をよぎるが、ポ
ンテがいない方が選手が良く動いて活気ある試合になることも多いので、さほど問題だ
とは思わなかった。でも、シュート練習の時に、余りにも気持ちがこもったシュートが
無いような気がして心配になった。特に長谷部と山田のシュート精度が悪かった。スタ
ジアムDJが「大勢の浦和レッズサポーターの皆さんご来場ありがとうございました」と
叫んだのにも驚いた。こういう風に歓迎されることはあまり無いので妙に新鮮だった。
選手コールが始まった。気合いが入る。
キックオフの時間には平日だと言うのにこの混雑ぶり。
あっという間に時間が過ぎ、スタメン発表となった。いつもどおりアウェーのスタメン
発表は簡単に済まされるのでコールが忙しい。川崎のスタメン発表には力いっぱいのブ
ーイングを浴びせる。しかし審判の発表を聞いて青くなる。何と「ニシムラ・・・・」
レッズにとっては忌まわしい審判で、ホーム有利な笛を吹くことでも記憶に残っている
審判だ。大分でアルパイが不可解なカードで退場させられた審判でもある。嫌な予感が
最高潮に。頭の中の嫌な予感を振り払うようにコールに専念する。
キックオフのホイッスルが吹かれた。ニシムラ痩せたようだが、何かあったのか?世間
の風が冷たいのか?、いずれにせよ今日は冷静なジャッジを願いたい。試合開始早々か
ら川崎の猛攻が始まった。嫌な流れだ。レッズは受けに回ってしまった。今日は引き分
けでも良いのだが、選手の意識にそれがあるとすれば難しい試合になる。案の定、マル
コンの執念の突破から上げた速く低いクロスを我那覇に押し込まれてしまった。何とい
うことだ、これで川崎がリードしたことになる。ここで選手が奮起するかと思いきや、
何となく変わらない単調な攻撃が続く。それでも前半31分、ペナルティエリアでワシ
ントンが倒されてPKをもらった。ワシントンは冷静に決めてこれで同点。今度はレッ
ズが1歩リードした。何とかハーフタイムまではそのまま行ったのだが、何度となくラ
インを突破され押され続けているので、後半は修正してもらわないと負けそうだ。
試合開始前にはデカ旗が出された。
ワシントンの得点で同点になった。この時は勝てると思ったのだが・・
後半開始からレッズの猛攻が始まった。この時間帯に得点できれば・・という流れだっ
たが、山田のシュートはバーを叩き、長谷部のシュートは枠を外れた。そして一瞬の隙
を突かれる形で失点してしまう。何ということのないスローインのボールを頭でそらさ
れ、そこにジュニーニョが突っ込んできて、あっという間のゴールだった。遠くのゴー
ルだったので何が起きたか分からないような一瞬の出来事だった。レッズの選手はその
瞬間誰も動いていないように見えた。その後も攻められ続けた。ジュニーニョとの1対
1は山岸がかろうじて防いだが、圧倒的に川崎が優位に立っていた。
今まで言われ続けて来たことだが、こうして組織で攻められるとレッズは後手後手に回
る傾向がある。千葉に負けた時もそうだった。個人の能力でゴールを奪える時は良いの
だが、組織で守られ、攻められるとあたふたとしてしまうのが見ていると良く分かる。
守備や攻撃の約束事が浅いのだ。局面局面で個人が打開出来るから大丈夫だったのだが
、こうして組織がしっかりした相手と向かい合うと、動きが少ない分だけフォローが足
りなくなる。セカンドボールを拾えなくなり、追いかける事でマークがずれる。相手は
それを利用して足りないところ、足りないところへと攻めてくる。平川と堀之内が攻め
られ続けたのは、川崎にとって前回の修正で、レッズにとっては予測できた動きという
事になる。戦術というものが局面を大きく変える典型的な例だ。マルコンは前回の反省
を生かしていた。ギドは川崎が修正してくることを予測して、その上で手を打たなけれ
ばならなかったのに、それが出来なかった。こういう相手に選手任せでは勝てない。
勝利への執念が明らかに川崎に負けていた。結局選手交代も含めてギドの完敗だった。
後28分 平川→岡野 マルクスが抜けることを考えたら平川のままで良かったのでは。
後28分 永井→エスクデロ エスクデロは何のために出てきたのか分からないくらい消
えていた。後44分 相馬→黒部 この時間に出てきて何をしろと言うのか・・・ギドの
選手起用が意味不明な事がたまにあるが、今日はまさにそれだった。出てくる選手の順
番がほぼ決まっているのも何だかなあという感じだ。これではジーコと同じではないか
。ギドマイレージに沿った選手起用などは即刻改めてもらいたいものだ。
こうして浦和レッズのナビスコカップは終わった。優勝した年から順番に、準優勝、ベ
スト4、今年がベスト8。年々劣化している。この事実を直視して監督・選手の奮起を
期待したい。
6月7日(水) 2006 ヤマザキナビスコカップ
川崎F 2 - 1 浦和 (19:04/等々力/16,342人)
得点者:'12 我那覇和樹(川崎F)'31 ワシントン(浦和)'53 ジュニーニョ(川崎F)
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