07Jリーグ開幕 横浜FC戦


開幕戦の横浜FC戦はハラハラ、ドキドキの試合展開だった。


3月3日(土)サイタマスタジアム2002:2007 J1リーグ 第1節:横浜FC

暖かい土曜日、まさに開幕日和と言える好天のもと、赤いサポーターの群れが駅からス
タジアムまでを埋め尽くしていた。赤いサポーターの群れの中に只一人ライトブルーの
ユニフォームがいた。背中のプリントは「KAZU」。何故かレッズユニを着た子供の手
を引いているオヤジだった。やけに目立ったこの人はサイスタの南門でフジテレビのイ
ンタビューを受けていた。J2から昇格した横浜FCが昨年王者レッズに挑む。真っ赤な
中に只人一人のライトブルーのサポーター。テレビ的には面白い構図なのだろう。  

只一人の横浜FCサポ。背中のKAZUが誇らしそう。 スタジアムには続々とサポーターが詰めかける。

途中で買ったたこやきを食べて腹ごしらえし、場内の歓声にせかされるように入場する
。FCサポが以外と多かったので驚いた。すぐに横浜FCの選手が入場。スタジアムは盛
大なブーイングに包まれ、サポーターが待ちに待った開幕を実感させてくれた。アップ
しているカズを目で追う。別メニューなのでスタメンでは無さそうだ。途中交代でもい
いから見たいものだが、こればかりは分からない。                

ゴール裏はすでに超満員だった。 横浜FCのサポーターも大勢詰めかけていた。

レッズの選手が登場すると場内は旗が踊り、大歓声に包まれた。アップする選手を双眼
鏡で追う。なんと闘莉王がいない。新聞には出るような事を書いてあったが、まだ体調
が回復しないのだろうか。選手の動きが重そうなのが心配だ。シュート練習は永井以外
は外しまくっている。何だか今日も苦戦しそうだ。オジェックの指導にまだ慣れていな
いのだろうか・・・。スタメン発表を聞くと阿部がセンターバックのようだ。これはこ
れでちょっと楽しみ。今日は是非フリーキックを蹴ってもらいたいものだ。     

選手が登場して挨拶。今期初お目見えの姿。 選手紹介のレッズの阿部。ひときわ大きな歓声に包まれた。

スタジアムの静寂を破る応援が始まった。07年の応援第一声はウオーリアだ。声を限
りの叫びと手拍子がスタジアムを戦う場へと変貌させる一瞬だ。さあみんな、今年も一
緒に戦おうぜ、という強烈なメッセージでもある。大歓声の中、選手入場。この時、ス
タジアム全体が赤と白のチェッカー柄に染まった。バックスタンドは全員がボードを掲
げている。メインスタンドは旗を振っている。ゴール裏は三色のデカ旗が拡げられた。
これは選手へのメッセージである。王者浦和のプライドを持って戦え。負けることは我
々が許さない。選手はこのメッセージに奮い立つ。・・・はずだ。         

選手入場時のメイン。 バックスタンド。赤と白が目にまぶしい。

そして柏原さんのキックオフの笛が鳴った。いきなり圧倒的に攻めるかと思ったが期待
はずれ。4−4−1−1の固い守りに手を焼き横パスの連続。これでは怖くない。工夫
はするのだが、最後の最後で阻まれる展開が続く。こういう時はミドルが効くのだが、
誰もミドルを打たない。あくまで崩すことにこだわっているようだ。とにかくスペース
が無いのだから崩すことは容易ではない。しかし、前半25分、その固いディフェンス
をこじ開ける突破が実り、ポンテの鋭いクロスがオウンゴールを誘った。初得点がオウ
ンゴール!何とも浦和レッズらしい。しかし次が続かない。そして前半終了間際に久保
のあり得ないロングシュートで同点にされてしまい、重たい気分のハーフタイムを迎え
ることになってしまった。                           

それにしてもワシントンの不調が深刻だ。ポンテも微妙に調子が出ない。二人ともイー
ジーミスが目立ち、得点の香りがしない。反対に永井と伸二が調子良さそうだ。軽快に
動き回る伸二を見るのはずいぶん久しぶりのような気がする。とにかく気分を変えるし
かない。ペットボトルのウイスキーがどんどん減っていく。このジリジリ感とイライラ
感・・・今年もこんな展開が多いのだろうなあ・・・サポにとっての一年の始まり。 

後半もジリジリする展開が続く。ワシントンは相変わらず決定機を外す。イライラした
伸二が奥を倒してイエローカードをもらう。「伸二、落ちつけ!」叫ぶ声も湿りがち。
応援のテンションも徐々に下がって行き、黙り込む時間が長くなってきた。久保が活き
活きとして動き回っているのがイヤラシイ。コロコロ倒れる奥もイヤラシイ。本当にど
ちらに転ぶか分からない展開が続いていた。                   

オウンゴールの1点目。喜び合う選手達。 遠いサイドで永井の決勝点が生まれ、大歓声に包まれた。

後半40分。そんなイライラを吹き飛ばす得点が永井の右足から生まれた。ゴール前の
混戦からこぼれたボールが永井の前に転がる。永井は冷静にDFを股抜きで交わし、右
足を振り抜く。GKがボールに触るも及ばずそのままネットに突き刺さった。起死回生
の一発。スタジアムは総立ち。歓声と雄叫びが爆発し、勝利を確信する永井コールが響
き渡った。やはりシュート練習時の正確さは伊達では無かった。調子の良さをアピール
していた永井の得点はとても嬉しい。そのまま時間は過ぎ、タイムアップの笛がなるま
でが短かった。途中まではどうなるか分からなかったが、終わってみれば納得の勝利。
こういう試合を勝てるようになったのが嬉しい。今日は永井の背中が光っている。  

試合終了。勝って嬉しそうに整列する選手達。 勝利の歌を歌う。リーグ戦最初の嬉しい時間。



3月3日(土) 2007 J1リーグ戦 第1節                     
浦和 2 - 1 横浜FC (16:03/埼玉/57,188人)                
得点者:'25 オウンゴ−ル(浦和)、'44 久保竜彦(横浜FC)、'85 永井雄一郎(浦和)


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