ジュビロ戦、ああサイスタの神様(ポスト)!


ゴールポストに2度も助けられてサイスタ不敗神話続行中!


4月7日(水)サイタマスタジアム2002:07 J1リーグ戦 第5節:ジュビロ磐田

満開の桜が風に散る中をバスが走る。夜の試合だったので、昼の空いた時間に六義園と
飛鳥山の桜を満喫し、王子から浦和美園まで電車で行った。歩き疲れていたのでスタジ
アムまでを100円のバスに乗った。いつもは歩くのだが、今日は何となく歩く気にな
らず、バスの車窓から満開の桜を楽しんだ。4月だというのに肌寒い天気で、何だか冬
に逆戻りしたような夜だった。                         

焼酎のお湯割りを飲みながらコンコースを回って席に向かう。席についてすぐLフラッ
グを取り出して振り始める。釣り竿を改良した旗竿を使うのでコンパクトに持ち運びで
きる優れものだ。おまけに軽いので振りやすい。ジュビロサポはいつもより少ないよう
だが、応援の声は出ている。ジュビロの選手が出てくると大きなブーイングに包まれる
が、まあ、これはどのチームでも一緒の事でいつもサイスタの風景だ。選手のアップを
見守りながらもフラッグを振り続ける。これがけっこう疲れる。          

少ないながらもよく声が出ているジュビロサポ。 選手のアップが始まった。心なし動きが悪いような・・。

スターティングメンバーの発表。ジュビロの選手の名前を見るが、半分は分からない選
手だ。福西も、西も、服部も、藤田も、名波もいないジュビロ・・・往年のチームとは
まったく違うチームと言っていい。それでも3連勝してレッズより上にいるのだから侮
れない。FWのカレン、右の太田がいやな感じだ。中山がサブに入っているのが何だか
嬉しい。成岡はまだ線が細いが、菊池は逞しくなってきた。菊池と太田中心のチームに
なってきたのだろう。レッズはいつものメンバーで今日も4バックでやるらしい。さて
試合の入り方はどうか。                            

主審は西村さん、キックオフの笛が鳴った。最初からジュビロの選手が良く動く。ボー
ル回しが巧みでレッズは受けに回ってしまっている。予想以上にジュビロが良い。これ
は難しい試合になりそうだ。レッズは時折、カウンターでゴールに迫るが単発の攻めで
終わり、守る時間が長い。セカンドボールを拾われる状態が続き、ジュビロの攻めを断
ち切れない。嫌な展開だなあとカミさんと顔を見合わせていたら、案の定失点してしま
った。サイド深く侵入したマルキーニョス・パラナの折り返しをカレン・ロバートが倒
れ込みながら押し込んだのだ。サイスタ全体を覆う溜息。鼓舞するはずの浦和レッズコ
ールも心なし元気が無い。                           

スタメン発表。ジュビロの選手も知らない選手が増えた。 選手入場。大歓声と拍手で迎える。

この後も同じような展開が続き、そのままハーフタイムに入るかと思われた39分に小
野の右足からゴール前のワシントンの頭に向けて糸を引くようなクロスが入った。これ
をワシントンがDFと競りながらゴール左へ流し込み鮮やかに同点!スタンドは総立ち
して、それまでの鬱憤を爆発させた。俄然、応援の声が大きくなる。不思議なもので、
それまでのムードから一変してしまうのだから怖い。他チームにしてみれば、これがサ
イスタの怖さなのだろう。同点になった時点で、これで勝てる!という感じになってし
まうのだからすごい。前半終了間際にもワシントンの惜しいシュートがあったのだが、
これがGK川口が顔面ブロック。川口は脳しんとうを起こしてそのまま倒れてしまった
。至近距離のシュートを顔面で止めたのだからすごいものだ。           

ワシントンの同点弾。伸二のクロスが素晴らしかった。 総立ちで声を上げるスタジアム。

ハーフタイムに他チームの結果を見た。名古屋が負けた。ガンバは川崎と引き分けた。
今日勝てば首位と差が詰まる。これも後半のモチベーションになる。ここは絶対勝たな
ければならない。後半開始直後からレッズの動きが変わった。FWとDFの距離が近く
なりパスがつながるようになってきた。ジュビロゴールに押し寄せる展開になってきた
ので見ていて面白い。時折カウンターを喰らうのが怖いが、相互の連携が取れてきたよ
うだ。相変わらず太田が嫌な動きをしている。攻めてはいたが決定的な場面はジュビロ
に出た。村井の決定的なクロスに合わせた犬塚のヘッドはポストを直撃。太田が坪井と
都築を交わして無人のゴールに放ったシュートもポストを直撃した。運はレッズにあり
、サイスタの不敗神話はゴールポストの神様によって守られた。          

後半開始を前に円陣を組む選手達。 遠くのサイドでポンテの勝ち越し弾が炸裂。大歓声。

そして後半34分、ポンテがセンターの永井に当てたワンツーで抜け出し、矢のような
シュートを川口のニアに突き刺して、喉から手が出る程欲しかった追加点を上げた。あ
まりの速さに、一瞬何が起きたか分からないくらいのシュートだった。ゴールネットが
大きく揺れたのしか見えなかった。スタジアムは総立ちで大歓声に包まれた。どちらか
というと劣勢の試合で、こういうパフォーマンスが見せられるポンテという選手の偉大
さ。この勝負強さがレッズを救ってくれた。シドニー戦でもそうだったが、厳しい試合
になればなるほどポンテの存在感は大きくなってくる。素晴らしい選手だ。     

その後、押せ押せになるかと思いきや、そうでもなかった。このところ終了間際の失点
に泣いていたので、全員の意識が失点しないことに置かれていたようで、安全な試合運
びに徹していたようだ。そうそう、守りきるという事は大事なことなんだ。応援してい
る我々もタイムアップの笛まで安心などまったく出来なかったのだから、この終了間際
の5分間は祈るような時間だった。試合内容はジュビロの方が良かったと思う。こうい
う試合を勝つことで、昨年の勝負強さを思い出してもらえれば言うことはない。   

西村さんの笛が鳴り、両手が上がった。とにかく今日は勝って良かった。この勝ち点3
は大きい。                                  

試合終了の挨拶。疲れ切った選手達。勝って良かった。



4月7日(土) 2007 J1リーグ戦 第5節                     
浦和 2 - 1 磐田 (19:04/埼玉/45,025人)                 
得点者:'32 カレンロバート(磐田)、'39 ワシントン(浦和)、'79 ポンテ(浦和)


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