ACLホーム上海申花戦、雨の中の持久戦
攻めるも攻めるも点につながらず、かろうじて阿倍のヘッドで辛勝。
4月11日(水)サイタマスタジアム2002:AFCアジアチャンピオンズリーグ
●予選リーグ:グループE:上海申花(シャンハイ・シンファ)
予報通りに午後から雨になった。今日はACLの上海申花戦なのだが、寒く暗い空は少々
気が滅入る。傘を差し、足元を見ながら黙々とサイスタへの道を歩く。屋台村もテキ屋
の売店も客が少ない。まあ、この雨の中で立ち止まって買い物をする人は少ないだろう
。テキ屋さんがスタジアム近くから追われて遠くで店を開けていたのに笑った。何があ
ったのか、ちょっと興味深い。スタジアム前の広場も閑散としている。
スタジアムに入ると沢山の人がコンコースに座って休んでいる。雨の中に出るのは試合
開始ギリギリでと考えているようだ。前段の濡れる席の人なのだろうなあ、と同乗する
。私の席はギリギリ濡れない席なので、こういう日は本当にありがたい。前回同様に駒
場ラーメンを食べて腹ごしらえをする。今日はやけにチャーシューが大きかった。席に
着いて旗を取り出して振る。少しでもスタジアムを活気づけなければと思い、スタメン
発表まで約40分間振り続けた。寒いからいい運動になった。30分前にはJICKYさん
も到着し、応援態勢が整った。
雨のピッチでアップしている選手達に向かって旗を振り続ける。
上海申花のサポーター席。思いの外少ない。
上海申花のサポーターはほとんどいない。約10人ほどが傘を差して立っているだけだ
。試合開始までには少しは増えるのだろうか? 上海申花にとっては、今日負ければ事
実上敗退が決まるわけで、正念場の試合のはずなのだが・・。ブルーデビルスと呼ばれ
ているらしいサポーターはどこにいるのか。
レッズの選手がピッチに出てきたとき、上海の選手達はストレッチをしていたのだが、
全員が同じようにレッズの選手を目で追っていたのが面白かった。雨が降っているピッ
チでのアップが終わり、選手達はそそくさとロッカーに引き上げて行った。そして、ス
タメンの発表。上海申花の選手はまったく分からない。ただ練習を見ていた限りでは皆
背が高く、鋭いシュートを放っていた。10番の南米系選手が中心選手らしい。情報の
少ない海外チームとの試合は最初の10分間がとても重要になるので、今日はシドニー
の時にようにボンヤリしないで欲しいものだ。
AFCのロゴマークがオーロラビジョンに掲示される。
選手入場。お互いに挨拶を交わしているところ。
選手が入場してきた。上海申花は白地のアウェーユニ。まるでガンバ大阪のような感じ
に見えて何だか嫌な感じだ。レッズはフルメンバーで勝ちに行く。イラン人主審マスー
ド・モラディさんの笛が鳴って試合開始となった。応援の声と手拍子が雨を吹き飛ばす
ようにスタジアムにこだまする。
開始5分もたたないうちにビッグチャンス。阿部がスルスルと左サイドを抜けてクロス
を上げた。永井がシュート。決まったかと思ったが左に外れ、大きな溜息が上がる。こ
ういうチャンスがいきなり来るとは思わなかった。ここでまたシドニー戦を思い出した
。シドニーはこういうチャンスを確実に決めたのだった。試合展開がどうなるか分から
ないが決めるべき時に決められないと苦戦するのは間違いない。その後も何度かあった
チャンスを決められず、何だか嫌な展開になってきた。まるで攻めさせられているよう
なのだ。相手はゴールに向かって本当に手数をかけず直線的なカウンターを仕掛けてく
るのでヒヤヒヤしながら見ていた。
攻めるレッズ。守ってカウンターの上海申花。得点が無いまま前半を終えようかという
時間だった。前半の42分。右60度からのフリーキック。ポンテの蹴ったボールにま
るで飛びかかるかのような阿倍のヘッドが炸裂した。キーパーは1歩も動けず見送る事
しかできない完璧なヘディングシュートだった。静かだったスタジアムはこれで爆発し
た。点にならないモヤモヤが一気に晴れて場内も押せ押せムードになってきた。こうで
なければ面白くない。
阿倍のヘッドが決まり先制!大喜びする選手達。
後半開始前に集まる選手達。
ハーフタイムに寒かったので合羽を着込んだ。この時期にしては冷たい雨で、さぞピッ
チの上は寒いことだと思う。後半開始と同時に選手が走り出す。せめて応援で声を出し
、手を叩くことで暖まるしかない。必死で声を出し、手を叩く。ゴール裏なら跳ねると
ころだが、指定席では跳ねることも出来ない。上海申花は前半と同じで、守ってカウン
ターの流れが続く。レッズは攻めきれないと危険な場面を作ってしまうのだが、なかな
か攻めきれない。ポンテが密着マークを嫌ってサイドに流れるので、パスがつながらな
いのだ。もっと思い切ってミドルシュートを打てば良いと思うのだが、啓太も長谷部も
シュートを打たない。ワシントンの足元にボールを集めては奪われるの繰り返しになっ
ている。
相手の10番が嫌らしい。接触してはすぐに倒れ、ファールをアピールする。まるで、
全盛期のビスマルクみたいだ。主審がまったくホーム寄りでなく、変に公平なのでイラ
イラするジャッジが多い。少しくらいホームに有利な笛を吹いても問題ないのに・・・
っていうか、ホーム寄りの笛を少しは吹けよ。まったく。
試合はそのまま行ったり来たりしながら進み、もう一点欲しかったのに取れずに終わっ
た。ホームでの勝ちは計算通りだが、連携の拙さは計算外だった。はやく戦術を熟成さ
せないとアウェー連戦は厳しいことになりそうだ。この日、同時に行われるはずだった
ケディリとシドニーの試合はピッチ状態不良のため明日の午前中に延期されたようだ。
グループリーグ突破は上位1チームのみ。シドニーの結果が気になるところだが、ここ
は明日の試合結果を待つしかない。
試合終了。ガックリ肩を落とす上海申花の選手達。
勝利の歌を高らかに歌う。
いやあ、それにしても後の無いドキドキ感は素晴らしい。他国のチームとガチンコでや
るのがこんなにも痺れるものだったとは。次回は上海のアウェー。そして、その次はイ
ンドネシアのアウェーが待っている。浦和レッズのアジアへ道はまだ3戦が終わったば
かりで、まだ半分残っている。勝ち抜ければ秋に韓国、中東が待っている。思っていた
以上にACLは面白い。クセになりそうだ。
●予選リーグ グループE:4月11日(水)/ 19:30 /埼玉/28,828人
浦和 1-0 上海 得点:42'阿部勇樹(浦和)
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