アウェー鹿島戦に快勝、代償に風邪
「若い鹿島と老獪な浦和…。」そんな風に言われてニヤリ。
4月29日(水)カシマスタジアム:07 J1リーグ戦 第8節:鹿島アントラーズ
毎回鹿島に来るときは駐車場をどこにするかで迷う。今回は帰り道に一番近い駐車場に
入った。前回は大きな駐車場で出るのが大変だったので、今回は小さな駐車場にした。
駐車場のおじさんが「まったく、年に1回しかないからなあ・・・」とこぼしていた。
年に一度のレッズ戦だけが稼ぎ時なのだそうだ。鹿島アントラーズしっかりしろ!おじ
さんが泣いているぞ。年に一回、一台800円でどのくらいの小遣いになるのか。鹿島
がスタジアムをいつも満員にしてくれれば、おじさんも笑顔になるのに。
快晴のカシマスタジアム。
ゲート前には赤い人がいっぱい。
スタジアム前は赤い人でいっぱいだった。駅前広場まで伸びた自由席の並びはいつ入場
できるか分からないほど多かった。私は指定席、それもホーム鹿島側なので楽々入る事
が出来た。席は最上段に近い2階席。場所だけ確認して売店に向かう。名物のモツ煮込
みをつまみにビールを飲む。晴れて気持ちのいい風が吹いている。スタジアムの外には
海も見え、のどかな春の景色が広がっていた。周辺はアントラーズサポばかりだが、レ
ッズサポもチラホラ見えて心強い。皆普通にレプリカを着ていて、アウェーではレプリ
カ着用しないようになどという注意事項は昔の話になったようだ。まあ、上海でもレプ
リカで通すレッズサポだから仕方ないというところか。
自由席の並びは駅前広場まで続いていた。
指定席から見下ろしたピッチ。この後最上段に移動した。
席に戻ったが、何だか居心地が悪いので最上段に行く。最上段は通路になっているのだ
が、あまり人も通らないので、ここで立って観戦することにした。バッグの中からLフ
ラッグを出して掲げる。注意されたら引っ込めようと思っていたのだが、誰も何も言わ
なかったのでそのまま掲げていた。最上段は海からの風が吹き抜けるため、旗は持って
いいるだけで勢いよく翻っている。風が思いの外冷たくてあわてて上着を着たが、どう
やらこの時に風邪を引いてしまったらしい。鹿島の指定席で旗を掲げるなどというばち
あたりな事をしたむくいかも知れない。
最上段からピッチを見ると、真上から見下ろしているような感じになる。ピッチはきれ
いで、緑の芝の上に白いユニフォームが映える。選手の動きやボールの動きがよく分か
る。いつもの試合よりレッズサポの始動が早かった。今日はウオーリアから始まった。
対する鹿島はブーイングをしているだけで、目立った動きはない。ちょっと拍子抜けの
気分。いつもだったら最大音量で対抗してくるはずなのに。サポーターもチームの成績
が悪いと萎んでしまうものなのか。レッズのゴール裏は立錐の余地無く赤い人で埋まっ
ている。何という密度か。明らかに座席数の倍は入っているようだ。
開始前のレッズゴール裏。びっしりと赤い人が詰まっている。
鹿島サポが紙吹雪を投げ始めた。
レッズサポよりもだいぶ遅れてアントラーズサポも動き始めた。フラッグが掲げられ、
大旗が振られ、デカ幕が出た。さすがに声も揃っている。選手入場前にいきなり大量の
紙吹雪が蒔かれた。これには驚いた。撒かれた紙吹雪がピッチに舞い、緑の芝生の上を
覆っていく。これはさすがに選手もやりにくいだろう。いったい何を考えているのか分
からない。紙吹雪を撒くタイミングだって最悪だ。選手に見せるものならば入場時にや
ると思うのだが、選手が入って来たときは終わっていた。どう考えても、この紙吹雪は
意味が分からない。上から見ているとボールと紙吹雪がシンクロしてしまい、ボールが
見にくい。最悪だ。
選手がピッチに出る。声援を送りたいところだが遠慮する。大量の紙吹雪に選手もやり
にくそうだ。紙吹雪は風に乗ってピッチ全体に広がってしまった。ボールが見にくい。
始まってすぐにいきなりピンチがあったが、都築が落ち着いてブロック。ハラハラする
展開だ。何だか動きが悪いようで押されている。今日はワシントンが出ていないので永
井のワントップだ。全体がギクシャクしているように感じるのはそのせいなのか。ポン
テの動きがいい。最後まで諦めずにチェイスする姿はサポに勇気を与えてくれる。徐々
にレッズが押し返す展開。しかし、どちらも決定的なチャンスはなく前半を終了した。
選手も紙吹雪に足を滑らせてやりにくそう。
ハーフタイムに子供達が紙ゴミを拾っている。
ハーフタイム、ピッチの大量の紙ゴミをユースの子とジュニアユースの子供達がビニー
ル袋に集めて清掃している。鹿島サポはこの姿を見て何も感じないのだろうか。約10
分間かけてピッチがきれいになったのだが。後半開始直前にまたもゴール裏から紙吹雪
が投げ込まれた。もうどうしようもない・・という気分。いったい何を考えているのだ
ろうか?そんな事に腹を立てていたら、いきなりピンチになってしまった。新井場のク
ロスがDFに当たってクロスバーに当たり、詰めていた興梠が空振りしたものの、その
後ろから飛び込んだ野沢がシュート。この時はさすがに頭を抱えたが、幸いシュートは
ポストに当たって外れた。いやはや危ない危ない。
後半開始にも紙吹雪がまかれた。
ポンテの得点にレッズサポ大喜び。
その後、徐々に押し返したレッズの攻めからチャンスが生まれた、後半11分、大きく
左右に振って最後は山田がポンテに絶妙のクロス。ポンテが落ち着いてゴールに流し込
み、待望の先制点が生まれた。「 J's GOAL 」という速報サイトではこの後の試合内容
の表現を「若い鹿島と老獪な浦和…。」と表現していた。いつからこんな風に言われる
ようになっていたのか知らないが、老獪な鹿島ではないのか? 確かに鹿島は変わって
いた。以前のような嫌らしさが無くなって、普通のチームになっていた。コロコロ転が
ってファールをアピールする本山も滑稽だったし、シュートチャンスをことごとく潰す
決定力の無さも鹿島のそれではない。ACLの厳しい戦いを見てきた目には鹿島の選手は
器用貧乏に映る。嫌らしい気配はあるが決定的な強さに欠けている。これでは10冠も
ずいぶん先の話になるだろうなあ・・と感慨深く試合を見ていた。
試合終了。選手達を讃える。
鹿島残照・・・カシマスタジアムと夕日。象徴的な光景。
結局ポンテの1点を守ってレッズの勝利。アウェーでの快勝と言っていい。まだまだ問
題点は多いが、結果が最優先なので、素晴らしい勝利だ。最上段から急いで下りて駐車
場へと急ぐ。沈んでゆく夕日がカシマスタジアムを赤く染めていた。何だか今の鹿島を
象徴しているようで面白かった。我々もいつかそうなるかも知れない。明日は我が身と
思った方がいいかもしれない。などと自戒しながら帰路についた。
畑の中の道を北上し、霞ヶ浦大橋を渡って土浦北インターから常磐道に乗る。6時終了
で8時半には自宅に着いた。このコースは本当に早く帰れる。サイスタよりも早く帰れ
るのだから不思議だ。
4月29日(日) 2007 J1リーグ戦 第8節
鹿島 0 - 1 浦和 (16:00/カシマ/36,146人)得点者:'56 ポンテ(浦和)
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