ACLホーム全北戦


アジアチャンピオンズリーグ準々決勝の第一戦はレッズが勝った。


9月19日(水)サイスタ:ACL準々決勝1st:全北現代モータース(韓国)


いよいよ待ちに待ったACLのノックアウトステージの開幕だ。今日は仕事を休んでサイ
スタに行く。夜の試合だというのに、昼間から何だか落ち着かない。チケットを取り出
したり、服をチェックしたり、ネットで情報を見たりしているうちに気持ちが高ぶって
きて、予定よりも1時間も早くサイスタに来てしまった。試合開始が待ちきれないサポ
が沢山広場に集まっている。サイスタも何だかいつもと違う。赤いサーチライトが点滅
していたり、オーロラビジョンの裏面を何とか赤くしようと照明を操作していたりと、
いつも見るサイスタとは違っていた。                      

夕闇迫る決戦の地、サイタマスタジアム。 スタジアム前広場は赤い照明に染まっていた。

広場のベンチで夕飯のカレーライスを食べてビールを飲む。カミさんはたこ焼きを食べ
ている。平日の試合なのでサポの出足は悪い。レッズが世界に羽ばたく試合なのだから
なるべく多くのサポーターに立ち会って欲しい。チョンブクサポがどのくらい来るか知
らないが、応援で圧倒できるだけのサポーターに来てもらいたいものだ。レッズはサイ
スタで勝てない試合が続いているので何としても流れを変えなければならない。   

チョンブクサポは20人くらいだろうか。 ゴール裏はすでに真っ赤に染まっている。

席はいつもと違って北側ゴール裏に近い指定席を取っておいた。思い切り声を出し、手
を叩くためだ。席に着くと目の前に北のゴール裏が見える。さっそく旗を出して振り始
める。北のゴール裏は試合開始まで1時間もあるのに真っ赤に埋まっている。全北のサ
ポーターは20人くらいだろうか、蛍光緑のシャツを着て固まっている。お隣の国だし
、在日の人もいるはずなのに何だか少ない。蛍光グリーンという色がシミスポを連想さ
せ、最初は係員が集まっているのかと思った程度だった。ちょっと拍子抜けした。  

選手が出てきて、大旗が振られて大歓声に包まれる。 選手のアップが始まった。

都築が出てきた。旗を振る。ゴール裏から大歓声が湧き上がる。決戦のムードが一気に
高まってきた。ずっと旗を振り続けているので腕と肩が痛くなってきた。選手が出てき
てアップを始めた。またもスタジアムは大歓声に包まれる。いつものように試合前に徐
々に徐々に気持ちが高揚してくるのに身を任せる。選手はみな元気そうだ。軽快にボー
ルを追っている。そしてスタメンの発表にまたも場内は大歓声に包まれる。今日の試合
が次への一歩になる。今、我々はレッズの伝説を作ろうとしている。        

バックスタンドに出された赤白のデカ旗。 真っ赤に染まったゴール裏と大ゲート旗。

しばしの静寂の後、角さんの煽りが始まった。「オイ!!」というかけ声に体中に鳥肌
が立つように感じる。今日は近くなのでより一層一体感を感じながら応援に入っていっ
た。ウオーリアが始まった。周辺の人もみんな声を出している。選手が入場してきた。
バックスタンドには赤白のデカ旗、ゴール裏は真っ赤に染まり「PRIDE OF URAWA」の
大ゲート旗が立ち上がっている。負けられない一戦に有志が練り上げたビジュアルだ。
選手がピッチに散る。我々は声で背中を押す。さあ、試合開始のホイッスルが鳴った。

セレモニーが行われている。 長谷部の先制ゴールに大喜び。

開始早々4分永井が落としたボールを長谷部が鮮やかにゴール左に蹴り込んで先制点が
入った。素晴らしいシュートだ。「長谷部ぇ〜〜」叫びながら隣のカミさんと抱き合う
。あっという間の先制弾にスタジアムが大歓声に包まれている。その後も達也が、ポン
テが次々にチャンスを作る。何だか一方的に攻め立てていて、いつでも点が取れるので
は・・という展開になっていた。相手の攻めは単発で、FWの二人の頭に合わせたロング
ボールが中心になっていた。その二人もさほど上手くなく、シュートまで持ち込めない
展開だった。ただ、22番のキム・ヒョンボクが危険な雰囲気を漂わせていて、気にな
った。キム・ヒョンボクのシュートがバーを叩いた時は頭を抱えたものだった。   

先制点で歓声に包まれるスタジアム。 後半開始前に円陣を組む選手達。

前半は本当にレッズのペースで終わった。何だか拍子抜けするようなチョンブクだった
が、圧倒しながら追加点が取れなかったのが気になった。後半開始からチョンブクが前
に出てくるようになり、徐々に押される展開になった。そんな状態の後半14分、ハー
フライン付近でボールを受けた達也がドリブルで相手陣内に切れ込み、闘莉王との見事
なワンツーを決め、鮮やかなゴールを奪った。本当に素晴らしい、美しい流れの得点。
相手は何も出来なかった。目の前のゴールに全員が総立ち。歓喜の雄叫びを上げる。こ
れで勝てるぞ〜、もう大丈夫だ。                        

達也の2点目が決まった。 試合終了。

しかし、ここからチョンブクの猛反撃が始まった。後半から入ったトニが嫌な動きを見
せ、次々とレッズゴールに迫ってくる。それでも決められたかと思ったシュートはポス
トを叩き、味方に当たって方向が変わったシュートは都築が右手の指先で弾いた。防戦
一方の嫌な流れもやっとロスタイムに入った。そして最後と思われるコーナーキック。
ここを防げば完勝だったのだが・・・こぼれ玉をチェ・ジンチョルに押し込まれてアウ
ェーゴールを与えてしまった。シーンとするスタジアム。直後にタイムアップの笛が鳴
った事も気分を重くした。嫌な点の取られ方をしてしまった。           

ゴール裏に挨拶に着た選手を讃える。 メインにも選手がやってきた。

それでも試合後は選手に大きな拍手をした。アウェーゴールがどうのこうの言う人がい
るが、要は勝てばいいし、引き分けでも勝ち抜けなのだから問題ない。何より、サイス
タで勝てた事が嬉しい。選手を大歓声で送り、勝利の歌を・・・と思ったのだが、角さ
んが「まだ前半が終わっただけなので、歌は韓国で勝って歌おう!」と叫び、歌わない
事になった。もちろん来週の韓国に行って歌って来なければならない。サイスタからの
帰り道は足が軽かった。気持ちはもう来週の韓国に向かっていた。         


■AFCチャンピオンズリーグ 決勝トーナメント準々決勝 第1戦          
9月19日(水)/19:30 K/O/埼玉/33,103人                 
浦和 2-1 全北現代                               
得点:4'長谷部誠(浦和)59'田中達也(浦和)91'チェジンチョル(全北現代)    


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