ACLアウェー城南戦


ACL準決勝の相手はまたも韓国。アウェー城南一和戦に参戦。


10月3日(水):炭川(タンチョン)総合運動公園:ACL準決勝1st:
城南一和天馬(ソンナムイルファチョンマ)             


10月3日(水)朝から小雨。ソウル市内のホテルからソンナムに向かうバスにはツア
ーで集まった仲間9人が乗っていた。スタジアムで今日合流するメンバーと合わせると
26名のツアーになる。韓国は今日が祝日のようで道路の両側に国旗が延々と掲揚され
ている。車中の話題は雨よりも今日のサポ人数。韓国では新聞やネットを通じて、浦和
サポーターが大挙してやってくるように喧伝されているのだが、当の我々は結構覚めて
いて「3000名なんて来るわけないよ、良くて5〜600だろう」と言いあっていた
。前週の全北(チョンブク)戦でのレッズの応援ぶりがかなりショックだったようで、
今日は多くのKリーグ関係者が見学に来るような事も書いてあった。        

スタジアムの入り口に並ぶ赤い人の列。 ソンナムのグッズショップ。コンテナを改造してある。

一時間ほど走ってソンナム市に到着。明日が「市民の日」らしく、国旗とは別にソンナ
ム市の旗が道路に掲げられている。試合会場はタンチョン総合運動公園のスタジアムで
、すでに赤い人の列が出来ていた。これだけ海外のアウェー遠征を重ねると自然に知り
合いが多くなり、そこここに見知った顔があり、挨拶を交わす。ざっと見たところ並ん
でいるのは100メートルくらいで、数にして3〜400人くらいだろうか。まあ、先
週のような訳にはいかないだろう。これから来る人に期待だ。           

奥に見えるのがチケット売り場。 スタジアムのメインスタンド。屋根はここだけ。

4時に開場し、列が進み始める。先頭を行くBOYSから「赤き血のイレブン」が歌われ
全体で合唱となり、列に並びながら旗を振る。今日は最初から旗を振りっぱなしでやる
つもりだ。入場はスムーズで、チケットもぎりだけ。荷物チェックは無かった。スタン
ド最上段がコンコースとなっており、歩きながら全体が見渡せる。やけにスタンドが低
く、トラックもあるせいで、ピッチが遠く感じる。はっきり言って非常に見にくいスタ
ジアムだ。我々の席はゴール裏になっているようで、先頭はすでにダンマク貼りに忙し
い。全北戦で一緒になった人と並んで席を決め、二人で旗を振り始める。まだ試合開始
まで2時間半ほどあるが、今日はずっと旗を振り続ける。             

ダンマクを貼るのに忙しいサポーター。 席詰めの声に移動するサポーター。

細かい雨が降ったり止んだりしている。BOYSから席詰めの声がかかり、席を移動する
。少ない数ということはハッキリしたので集まって集団の「声」を選手に届けるために
一つにまとまろうということだ。合わせて、座席が黄色なので、その黄色を見せなくす
るために、空き席をダンマクや旗で覆うためだ。まとまることに異存は無いので素直に
移動する。まとまることの大切さはインドネシアに行ったときに実感していた。その時
も旗を振り続けていたことを思い出す。                     

試合開始前にちょっとしたいざこざがあった。しきりにこちらの写真を撮っているカメ
ラマンに止めるように言った。一人は止めたのだが、もぅ一人のカメラマンが言うこと
を聞かない。こちらの誰だかが言うことを聞かないそいつに水のペットボトルを投げつ
けた。それに切れたのが別人の(翌日の新聞によると)スオンサムソンのサポーターで
いきなり殴り込みをかけそうな勢いで怒鳴りだした。その横から同じように叫びだした
奴が缶ビールを投げる、こちらがそれに投げ返す。完全に切れたスオンサポが柵を越え
て緩衝地帯に飛び込み、警備員に阻止される。なおも何かを投げるスオンサポとその仲
間。果ては上着を脱ぎ放って背中の入れ墨を見せてすごむ馬鹿。しかし、その入れ墨の
しょぼさに我々は失笑。白いジャージの男は切れっぱなしで叫び続け、警備員がゾロゾ
ロと間に入りお互いを制止する。柵の向こうには導火線の短い人達が群れてきて一時騒
然となる。                                  

にらみあいにはちょっと緊張した。 韓国のネットで晒された突入するスオンサポの後ろ姿。

そんな時、ピッチに都築が出てきた。我々は馬鹿に構っていられないのですぐに切り替
え、都築コールをする。遠くで手を上げて応える都築。それにしても練習ピッチと応援
スタンドが逆というのはどういう事なんだろうか。どっちもやりにくいだろうに。ソン
ナムに人気がないというのは、こういう無神経さを見るとよく分かる。スタンドだって
緩衝地帯があるわけでなし、軽くペットボトルが届く場所に並んでいる事になるし。い
かに普段観客が少ないかということなのだろう。そういった観客に配慮するノウハウは
必要無かったのかもしれないが、それにしても無神経すぎる。           

一緒に旗を振ってくれたツアーの仲間。 アップする選手が遠くに霞む。

スタンドが低く、トラックまであるためピッチがじつに遠い。広告看板に隠れてゴール
ラインが見えない。ソンナムの選手が出てきたので盛大なブーイングをする。浦和の選
手が出てきたときは歓声と拍手で迎える。私は最上段でずっと旗を振っていた。選手の
スタメン発表はきちんと行われ、いつものようにコールが出来た。何だか選手も体が重
そうだが今日は頑張ってもらわなければならない。照明が4基しかないのでスタンドは
暗い。雨がまた降ってきて旗が重くなるが振り続ける。選手がアップを終えて引き上げ
るまで旗を振り続けた。そして試合開始までの一時の静寂が訪れた。        

スタメン発表に歓声で応えるサポーター。 選手入場を発煙筒で迎えるクルバ。

選手入場と同時に大量の発煙筒が焚かれ、クルバが火事場のように燃え上がる。アレ浦
和のコールが選手へと送られる。白い煙で前が見えないが、選手は軽い足取りでピッチ
に散った。さあ、準決勝の始まりだ。今日は500人くらいしかいないので一人一人の
声が大事になる。精一杯の声を出してコールする。ゴール裏なので試合展開がよく分か
らない。ボールが弾んで何だかゲームが落ち着かないが、選手は落ち着いているようだ
った。ゲームは一進一退で進む。ところが前半10分の事だった。坪井がトラップをミ
スし、それをつながれてイタマルからモタへラストパス。モタが右足で、飛び込んだ都
築を交わすような軽いキック。ボールは目の前のゴールに吸い込まれてしまった。  

発煙筒の煙で前が見えない。 試合は前半に1点リードされてしまった。

痛恨の失点。我々はすぐに浦和レッズコールを送る。まだまだ時間はある。ひたすら選
手を鼓舞するためにコールを続ける。こんな時は声を合わせるしかない。しかし、前半
はそのまま一進一退で進んで行く。徐々にレッズが押す展開になり、ワシントンの決定
的なシュートが相手ゴール右隅を外した時は天を仰いだ。達也の動きが素晴らしくて、
3人をドリブルで交わしたときはスタンドから「おお!」という大きな溜息が漏れてい
た。今日の達也は本当に素晴らしい。まさにワンダーボーイだ。それにしても、コーナ
ーキックに向かったポンテが、ボールを蹴る前にいきなり前半を終了させた主審には驚
いた。これもアウェーの洗礼か。                        

後半開始を威風堂々を歌って迎える。ソンナムの選手がなかなか出てこないのでイライ
ラしたがこれもアウェーと割り切る。後半開始からレッズの選手の出足が良い。徐々に
相手陣内でのボール回しが多くなる。こちら側に攻めてくる形になるので応援にも熱が
入る。後半7分、ポンテのクロスをフリーだった達也がヘッドで鮮やかに同点弾を決め
た。クルバは大歓声。誰彼と無く抱き合いハイタッチする。「ようし、同点だぁ!」「
達也ぁ〜よくやった!」達也のコールを叫ぶ、叫ぶ。ポンテのクロスがじつに素晴らし
かった。                                   

ソンナムが押し返してくる。しかし、それを交わしながらレッズもカウンターをくり出
す。この辺の攻防は激しく見応えがあった。応援している身にとってはハラハラものだ
ったが・・。後半20分、フリーキックからクロスがワシントンに入る。それを後ろか
ら膝で当たってソンナムの選手がワシントンを倒し、ペナルティをもらう。驚喜するサ
ポーター。ポンテがボールを持ちマークへ置く。「ポンテ頼むぞ」両手を握って目の前
のポンテに念を送る。ポンテのシュートが右隅に決まり、クルバ大爆発。またしてもみ
んなとハイタッチしながら叫ぶ。「勝ち越しだぁ〜〜〜!」「ポンテ〜〜!!」   

そこから徐々にラインが下がり始める。防戦のシーンが増える。遠くのゴール近くの攻
防はよく分からないのでハラハラし通しだった。残り10分のところまで来たのだがモ
タのシュートを都築が弾いたボールがソンナムの選手の前に転がり、それを押し込まれ
てしまった。同点になってしまった。しかし、まだ負けている訳ではない。再び応援の
スイッチが入り、声を大きくして歌い叫ぶ。達也に替わって永井が入る。平川が遅延行
為でイエローをもらう。闘莉王が足を押さえてうずくまる。時計は45分を過ぎている
が、ロスタイムが何分あるか分からない。必死に叫び旗を振る。雨に濡れた旗が重い。

試合終了。ロスタイムが長かった。 選手がゴール裏にやってきた。

長い長いロスタイムが終わり、やっと主審の笛が鳴った。ふう〜〜と肩の力が抜けた。
同点だ・・・。徐々に頭の熱が下がり、2点取って同点なら上出来ではないかと思い始
めた。城南は予想以上に強かった。ゴールバーに何回か助けられたし、普通に負けてい
てもおかしくなかった。選手がゴール裏にやってきた。大歓声で迎える。この激戦を引
き分けにした選手をひたすら讃える。あとはサイスタで勝てば良いのだ。選手が見えな
くなるまで旗を振り、コールする。そして「赤き血のイレブン」を歌う。      

選手の挨拶にコールで讃える。 雨に濡れたダンマク。

熱戦が終わったスタジアムは雨のせいか観客はすぐにいなくなった。席に張られたダン
マクが雨に濡れて重そうだ。まだこれを片付ける人がいるのだ。サポーターも選手も良
くやったと思う。次につながる戦いだった。スタジアムを出たところで仲間を待つ間、
地元の子供達と交流。試合を見に来ていたスオンサポ3人との交流も面白かった。スオ
ンサポとは「来年はスオンでやりましょう」と盛り上がった。           

スオンのサポーターと盛り上がった。 ツアーの打ち上げはプルコギで。

■AFCチャンピオンズリーグ 決勝トーナメント準決勝 第1戦          
10月3日(水)19:00/韓国・城南                      
城南一和 2-2 浦和                              
・得点者:10' モッタ(城南一和)、52' 田中達也(浦和)、65' ポンテ(浦和)、
81' キム・ドヒョン(城南一和)                        


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