7年ぶりの対決に快勝


昇格した札幌との対決は4対2でレッズの快勝だった。


4月29日(水):サイスタ:コンサドーレ札幌:08 J1リーグ戦 第9節



いつものサイスタへの道を歩く。天気が良くて気持ちいい。 まだ時間が早いのでサポーターも少ない。

ゴールデンウイーク連戦の初戦は昇格した札幌戦だ。いつもより早く出かけ、スタジア
ムには開始2時間前に着いた。中学生のハートフルコンサートで和んだ後、すぐに席に
向かう。ピッチ場ではボーイズマッチが行われていた。ボーイズマッチが終わったら旗
を振りだそうと準備する。天気がいいのでビールが美味い。最高の観戦日和だ。ボーイ
ズマッチが終わり、子供達がこちらに向かって歩いて来る。私の下が退場口になってい
るのだ。立ち上がって旗を振りながら声をかける。何人かが小さく手を上げて応えてく
れた。「みんなよく頑張った!えらいぞ!」                   

南広場ではハートフルコンサートが行われていた。 ピッチではボーイズマッチが行われていた。

旗を振り始める。ピッチ上に審判団が現れた。ピッチやゴールネット、コーナーフラッ
グの確認と点検で一周する。この時、レッズのサポーターは審判団を拍手で迎えるのが
恒例になっている。審判によっては無視する人もいるが、今日の主審の高山さんは律儀
に四方のサポーターにきちんとお辞儀をしていた。見ようによっては審判に媚びを売っ
ているように見えるかもしれないが、これは多くの海外試合を経験したレッズサポの知
恵なのだ。審判とケンカしても何もいい事はない。拍手することで何か有利になる事が
あるか?と聞かれれば「ある」と答えたい。それは審判が公平に裁こうとしてくれるか
らだ。拍手されたくらいでこちら寄りになるような主審はいない。むしろ意識して逆の
方向に向かう主審もいる。ただ、試合前の拍手により、サポーターや選手と心を通わせ
て試合を作ろうとしてくれるような気がするのだ。試合をするのは選手だが、主審やサ
ポーターも一緒に試合を作っているのだと私は信じている。            

この文章は試合後に書いているので、この日の高山さんについて言えば、それが実に良
く分かっていたように思う。ファールがあると、そのまま再開しないで、ファールした
選手にきちんと反省を求めていた。これは誰のファールでも同じだった。判断がぶれる
ことが無かった。こういう安定したジャッジには何の不満も出ない。試合終了後、戻っ
てくる審判団にメインスタンドから拍手が起きていたのがその現れだと思う。カードに
頼った試合運営は感情的になってしまうことが多い。この日の高山さんのジャッジは素
晴らしいジャッジだった。我々は主審にこういう試合運営を求めているのだ。    

都築が出てきてゴール裏は大歓声に包まれる。 軽快に選手のアップが続けられている。

旗を振り出してから1時間、都築が出てきた。この時間になると通路で宴会していたサ
ポーターも席に着くのでスタンドが赤く染まってくる。都築は前の試合で堀之内と交錯
して膝を痛めたようだったが、どうやら問題ないらしい。良かった。札幌のGKが出て
来た。大きなブーイングが沸き起こる。かつて札幌がライバルだった事があった。J2
時代は一度も勝つことが出来なかった。しかし、7年の歳月は大きくその立場を変えた
。昇格組とはいえ、監督は元大宮の三浦監督だ。レッズの弱点は知り尽くしている。簡
単に勝てる相手ではないと思うが、もちろん負けるわけにはいかない。       

大勢の札幌サポーターが集結していた。 スタメン発表に盛り上がるゴール裏。

アップが終わり選手がピッチから消えると同時に、旗をたたんでザックに入れる。指定
席では試合の間は旗は出さないと決めている。そして、ファーストインプレッションの
高音がスタジアムに鳴り響き、選手が入場し整列する。さあ、試合の始まりだ。   

入場して整列する選手達。 札幌ゴール裏のコレオグラフティ。

札幌はじっくりと守備を固めてくるかと思ったのだが、案に相違して積極的に攻めてき
た。やはり三浦さんはよく分かっている。今年のレッズは前半寝ている試合が続いてい
る。やはり、そこを突かれた。前半6分、鮮やかすぎるカウンターが決まり、鮮やかに
失点。落胆するスキもないくらい鮮やかな失点に声も出ない。「ハア?・・・?」っと
いう感じ。札幌強いじゃないか。さあ、そこから声を出す。こうでなきゃ面白くない。
勝負は分からなくなった。何とか前半のうちに追いつきたい。           

梅崎のフリーキックを闘莉王が折り返し、高原が鮮やかなヘッドを突き刺し、同点!と
みんなが飛び上がったが、残念ながら誰かがオフサイドだったらしく副審の旗が上がっ
ていた。がっかり。岩沢さんの場内アナウンスが「ただ今の得点は・・??・・フゥ」
で終わったのが何とも場内の雰囲気を表していた。                

阿部の1点目が決まった。 闘莉王が執念のヘッドで2点目を決めた。

そして攻め合いになった前半24分、攻め上がった阿部がシュート。ダフったのか、ボ
ールが変な転がり方をした。「あ〜〜あ・・」と声が上がった直後、何とGKがファン
ブルしてゴールに入ってしまった。何が起きたか分からなかったのだが、みんなが飛び
跳ねて喜んでいるので得点したことが分かった。オーロラビジョンで見て初めて確認で
きた。阿部も照れ笑いを浮かべていた。しかし、しかし、喜んだのもつかの間。何とそ
の1分後、フリーキックのボールを頭で押し込まれて痛恨の失点。何ということだろう
か、天国から地獄とはこのことだ。これにはショックを受けた。          

しかし、前半はまだ終わらなかった。失点の3分後、今度はうちのコーナーキック。梅
崎のファーへのボールを倒れ込みながらも闘莉王が押し込んで同点にしてくれた。意地
のヘッドと言っていいだろう。素晴らしい得点だった。「今日はバカ試合だ!」思わず
声が出てしまった。最後はどうなるか、まったく分からなくなった。前半終了までの間
ハラハラドキドキだった。                           

後半開始直後から攻めるレッズ。こちらのゴールに向かって高原が、梅崎が、エジミウ
ソンが殺到してくる。いい感じだ。そして鮮やかなワンツーからエジミウソンの左足が
うなった。シュートは左隅に突き刺さり、待望の勝ち越し点が入った。ゴール裏は大爆
発だ。エジミウソン、オレーオーのコールが鳴り響く。エジが両手を叩いてコールに応
える。最高だ。札幌は後半になってクライトンの動きが悪くなり、攻め手が無くなった
。ダヴィの欠場は大きかった。レッズが落ち着いてボールを回すようになってきた。安
心してゲームを見ていられるようになってきた。                 

エジミウソンの3点目。 そして素晴らしい高原のパスからエジの4点目が決まった。

後半になると今年のレッズは強い。なぜ前半からこういう試合展開が出来ないのかが問
題なのだが、後半になると選手がよく動く。逆にいうと前半押し込んでいた相手の体力
が保たないからだとも言える。今年のレッズの得点がほとんど後半だという点も特筆す
べきところだ。とにかく、今日の試合は後半開始直後に取った勝ち越し点が全てだった
ような気がする。終了間際の41分に粘った高原からエジに出たパスは美しかった。エ
ジは難なくそれを決めて今日2点目。レッズにとっては4点目のゴールとなった。結果
は4対2の圧勝。またしても前半と後半がまったく違うチームになっていた。    

試合終了。笑顔の選手達。 オーロラビジョンに今日のスコアが出ている。

エジミウソンのヒーローインタビューは初めてだ。通訳が上がって声がうわずっている
のも新鮮だ。サイスタのピッチを回って勝利の挨拶をする選手が輝いて見える。カミさ
んと一緒にバンザイをして見送る。そして、高らかに響く勝利の歌。じつに気分がいい
。阿部コールが繰り返される。試合が終わってからも余韻を楽しむ人がスタジアムに沢
山残っていた。                                

挨拶に来た選手を讃えるゴール裏のサポーター。 勝利の歌を高らかに歌う。


4月29日(火) 2008 J1リーグ戦 第9節                    
浦和 4 - 2 札幌 (16:00/埼玉/48,031人)                 
得点者:6' 砂川誠(札幌)、24' 阿部勇樹(浦和)、25' 柴田慎吾(札幌)、28' 田中
マルクス闘莉王(浦和)、50' エジミウソン(浦和)、86' エジミウソン(浦和)  


●サッカーページに戻る
●kurooの部屋トップに戻る