※※ 森林インストラクターへの道 ※※ 33
第983号の登録証が届いた。
2001. 1. 19
1月19日(金)森林インストラクター事務局から森林インストラクターの証明書、
登録証、バッジが届いた。卒業証書を入れるような筒に入れられた書類を広げて中身
を確認する。賞状のような登録証やバッジ、パウチされた証明書を見ながら、森林イ
ンストラクターになったことを実感していた。
証明書はインストラクト時に携帯し、バッジは着用する。初めて使うのはいつのこと
になるのだろうか。こんな私にそんな機会がやってくるのだろうか。試験が終わって
から勉強もろくにしていなかったのだが、この書類を見て急に恐くなってきた。
こんな状態でインストラクト出来るはずがない。いったい、私は何が解説出来ると言
うのだ・・・・何も知らないではないか。このままではダメだと思いつつ、何をした
ら良いのか分からず悶々としてしまう。
幸い瀬音の森は順調で、先日の間伐教室も無事好評のうちに終わった。この冬の間に
あと2回の間伐を予定しており、その後は秩父の植林、秋田県西木村の植林と行事が
続いている。こうした身内だけの活動に終始してしまっては、森林インストラクター
として向上しないのではないか。このごろ、そんなことが気になっている。
かといって、他の活動をする余力はなく、どうしたものかと思案するばかりだ。観察
会や鳥見の会に参加して勉強すれば良いのだが、その時間が取れない。あせっても仕
方ないことなのだが、証明書やバッジを前にすると、つい気後れしてしまう。
こんな時は心を落ち着かせるために何か集中するに限る。たまたま前回の間伐作業時
に刃こぼれさせてしまったナタがあったので砥石で研ぐことにした。刃物を研いでい
る時は何も考えずにすむので気持ちが落ち着くのだ。
3時間くらいかかってナタを研ぎ終わった。次に両刃のナタを研ぎ、ついでに切れに
くくなっていた折り畳みナイフを研ぐ。1時間で切れ味鋭いナイフに変わった。今度
は家にあった包丁を片っ端から研ぐ。みな恐いくらいに切れるようになった。
半日かけていろいろな刃物を研ぎ終わり、満ち足りた気分の中で落ち着いて考えてみ
る。先は長いのだ、あせることはない。一つ一つ出来ることからやれば良い。という
ごく簡単で単純な答えが引き出された。
これからの時代、間違いなく森林インストラクターの役割は大きなものなっていくは
ずだ。そのことと自分自身のこととは別の問題なのだ。必要以上に大きな期待を自分
にかけて押しつぶされないようにしなくてはいけない。過度な期待は自分で自分の首
をしめるようなものだ。
森林は1年や2年では何も変わりはしないのだ。大きな時間の流れ、森の時間をつか
まえなければならない。そして、その時間に合わせてゆったりと動ければ良いのだ。
はやる気持ちやあせる気持ちも分かるが、今はじっくりと今後の方向を見極めて歩き
出せば良いのだ。