※※ 森林インストラクターへの道 ※※ 37
森林インストラクター養成講習 講師の仕事
2001. 7. 21
7月21日(土)読売・日本テレビ文化センター川口にて森林インストラクター養成
講座の講師の仕事をした。お世話になっている大森先生から依頼されたもので、最初
は辞退したのだが、良く考えた上でお引き受けした。先生から言われたのは「試験に
受かったからといって、そのまま消えてしまう人が多い。知識は復習しなければ本当
に身に付くものではない。復習のつもりでやりなさい。」ということだった。
引き受けてから事の重大さに緊張するありさまで、情けないことこの上ないのだが、
テキストを見直すうちに先生の好意が良く分かった。1年前に勉強した事をかなり忘
れてしまっている事が分かったのだ。これには愕然とした。1年前に勉強したノート
を取り出したり、辞書や図鑑をもう一度めくったりと準備が大変だった。
今回の講義は「林業1」林業の現状とそれを取り巻く山村の歴史や現状を講義する。
A4で14ページもあるテキストを2時間でレクチャーしなければならない。林業白
書や昨年の養成講習テキストから必要な数字やグラフを書き写し、いかに分かりやす
く伝えられるかにポイントを絞った。自分の知っていることを全てありのままに伝え
て理解してもらえればいいんだ、と納得したのは前日の事だった。
当日は40分前に会場に着いた。教室は川口駅西口前のショッピングセンターイイダ
の上にある。担当課長と挨拶を交わし打ち合わせをする。教室に案内してもらうと、
意外にも明るく開放的な教室だった。黒板の前の机にカバンとテキストを置き、緊張
をほぐすために廊下に出る。文化センターの様々な資料や作品集を眺めているうちに
時間を忘れてしまった。
18時30分、講義の時間になったので教室に入る。3人の生徒さんがいた。皆さん
私よりも年上だということは事前の資料で分かっている。テキストに入る前に一人一
人インストラクター試験を受けるかどうかを聞いてみる。試験を受けるつもりで勉強
している人、受けても仕方なさそうだと諦めているひと、さまざまだ。
今回、講師の仕事を引き受けるに当たって、自分なりに考えていたことがある。それ
は、受験のための勉強をどうするかという事だった。大森先生や神座先生と違って私
は試験を受けたばかりだ。そこで、試験勉強に対するアドバイスや会場の雰囲気、試
験の傾向などをよりリアルに伝えられる立場にあるということだった。生徒さんが望
めば自分に出来るだけのアドバイスをしようと決めていた。当然の事だが、この養成
講習だけで受かるほど試験は甘くない。試験に受かるための勉強というものが別に必
要になる訳で、その部分でお手伝いできるのではないかと思っていたのだ。
森林インストラクターを目指して勉強する人は、もうすでに我々の仲間であり、同じ
方向に向かって歩いている同志なのだと思っている。求められれば私の持っているも
のは全て与えたい。一人でも多くの仲間が必要になっているのだから。森林や林業の
知識が豊富で、都会と山村をつなぐパイプ役になる人はこれから絶対に必要になる。
それも大勢の人材が必要になることは間違いない。
ちょっと遅れた人もいたが、講義は予定通り始まって順調に進んだ。テキストを読み
ながら、解説と周辺の話題や資料としての写真などを回覧したりした。緊張はなく、
少しでも多くの情報を伝えたいと言葉を早めたのだが、果たしてうまく伝わったかど
うか不安でもある。20時30分終了時間をすこしオーバーしたが予定通りテキスト
は終わったのでホッとした。