秋の広島・京都


安芸の宮島、厳島神社と京都に行った。今回は31文字の旅日記。



のぞみ号 新横浜のつぎ名古屋 このスピードで狭くなる国
09,12,01朝


列車での旅の醍醐味二つあり 車窓の景色と冷たいビール
09,12,01朝


西行が何十日もかけた道 二時間かけずに通り過ぎゆく
09,12,01昼


家屋敷 西へ行くほど重厚に 歴史かさねた土地の豊かさ
09,12,01昼


京野菜 畑広がる郊外を 新幹線は飛ぶように過ぐ
09,12,01昼




あなごめし「うえの」の味を堪能す 焼けた香りとたれの甘さと
09,12,01昼



宮島の沖から眺める大鳥居 よくぞここまで来られたものよ
09,12,01夕



神鹿(しんろく)の人に動じぬ堂々さ 秩父の鹿と別の生き物
09,12,01夕



神職の神饌(しんせん)下げる所作ながめ その美しさ時を忘れる
09,12,01夕



あざやかな朱の拝殿の美しさ 三姫神のおわします杜
09,12,01夕



神職のはかま水色巫女緋色 朱の拝殿に映えてうつくし
09,12,01夕



源平の歴史見つめた大鳥居 厳島神社 清盛の夢
09,12,01夕



神職と観光客が同居する世界遺産は不思議空間
09,12,01夕



大鳥居 下まで歩き写真撮る 上げ潮よせて足元ゆるむ
09,12,01夕



宮島の西の夕焼け海に映え 東の山に白い満月
09,12,01夕



寄せてくる潮の波音聞きながら夕焼け鳥居眺める至福
09,12,01夕



上げ潮のさざ波に立つ青鷺(あおさぎ)は影絵のごとく夕焼けに映え
09,12,01夕



宮島の鳥居が見える今日の宿 錦水館はあるいて二分
09,12,01夕



宮島の牡蠣の料理に舌鼓 釜飯ひとつ夜食ににぎる
09,12,01夜



広縁で鳥居ながめつワイン飲む 夜のぜいたくマッサージチェア
09,12,01夜



ふと気づき窓明るくて目が覚める 海に満月煌々(こうこう)と照り
09,12,02深夜



満月のひかりが波に反射してきらめくツリー海にあらわる
09,12,02深夜



さざ波が満月のひかりゆらめかせ 光のはしら長く伸びくる
09,12,02深夜



正面に満月映す海ながめ 赤ワイン飲む至福の時間
09,12,02深夜



満天の星座もろとも満月が目の前沈む宮島の海
09,12,02早朝



満月を映す光のさざ波を漁船の影が黒く横切る
09,12,02早朝



満月が沈むと海も静まりて 普通の朝の暗い海へと
09,12,02早朝

カイツブリ静かに潜るその横に カモメ飛び込み派手に餌獲る
09,12,02朝


カモメらが群れて飛び交う水しぶき イワシの群れを追って移動す
09,12,02朝




朝早く大鳥居見て神社見る 満潮前の中途半端さ
09,12,02朝



海に浮く厳島神社高舞台 舞楽の舞いと雅楽のしらべ
09,12,02朝



満潮の厳島神社境内に イナっこの群れ黒くただよう
09,12,02朝



満潮と干潮に合わせるガイドさん 団体旅行がみんなあつまる
09,12,02朝



紅葉谷(もみじだに)広い公園走る群れ 自衛隊員登山訓練
09,12,02朝



弥山(みせん)へのロープウエイを乗り継いで 山頂に立ち瀬戸の海見る
09,12,02昼



新幹線 牡蠣弁当とハイボール 京都着くまでしばし休憩
09,12,02昼



京都駅三十三番ホームから嵯峨野へ向かう電車乗り込む
09,12,02夕



桂川 河畔そびえる榎(えのき)には「市民の木」なる木札掲げり
09,12,02夕



渡月橋 渡った先は何もなし 眺めることに意味のある橋
09,12,02夕



桂川河畔の宿の辨慶(べんけい)が京の一夜を過ごす宿なり
09,12,02夕



京ことば和服のおかみの出迎えに 背すじ伸ばして挨拶をする
09,12,02夕

仲居さん接客修行の日々と見え 教育係の視線が厳し
09,12,02夕


京都にも天然温泉あれかしと 六年前に掘った温泉
09,12,02夜


泉質の良さに驚くとろりの湯 京都市内と思えぬ穴場
09,12,02夜



にっこりとほほえみながら仲居さん「京の女は芯つよおすえ」
09,12,02夜



しぐれ椀 かぶらを使い上品に 京都料理の奥の深さよ
09,12,02夜



出る料理全ておいしく大満足 さすがに京の料理旅館と
09,12,02夜



もてなしの極意を見せた仲居さん 料理を出すに絶妙の間
09,12,02夜



渡月橋 眺めながらの朝食に森嘉(もりか)湯豆腐つるりとうまし
09,12,03朝



空暗く庭のもみじも雨に濡れ 雨の京都をどうに歩くか
09,12,03朝



京時雨 山も紅葉もしっとりと 傘さし歩く人もうつむき
09,12,03朝



大覚寺 雨の参拝足寒く 回廊歩くもつい早足に
09,12,03朝



門跡の威厳を示す伽藍かな 嵯峨天皇の歴史は重し
09,12,03朝



大沢の池を望みて佇みて 西行からの時のながれを
09,12,03朝



大覚寺周囲の家の重厚さ 歴史の重み個人の家も
09,12,03朝



嵯峨野駅思いがけずにD51(でごいち)とC58(しごはち)、C56(しごろく)並んで展示
09,12,03昼



トロッコの駅舎で少しひとやすみ 機関車眺めビール注文
09,12,03昼



D51(でごいち)の勇姿眺めつビール飲む 走る姿を思い浮かべて
09,12,03昼



C58(しごはち)は釧路走りし機関車で 雪原走る雪除けつけて
09,12,03昼



D51(でごいち)は火災に遭って半身焼け 先頭だけが残ったものと
09,12,03昼



永観堂 もみじの名所も雨に濡れ 散り紅葉のみ見どころとなり
09,12,03昼



朝紅葉 八入紅葉(やしおもみじ)に斑紅葉(むらもみじ)薄紅葉から末枯れまでも
09,12,03昼



南禅寺 三門を額に紅葉観る 濡れた落ち葉も風情あるもの
09,12,03昼



南禅寺 前の「八千代」で湯豆腐を 京都の味をつるり味わう
09,12,03昼

湯豆腐を食べて満腹店を出て 足を滑らせスッテンコロリン
09,12,03昼


食べ過ぎて満腹で歩く河原町 てぬぐい、陶器、見るのも楽し
09,12,03昼


地下鉄で京都駅まで帰り来て荷物受け取りやっとひといき
09,12,03夕


新幹線 物も言わずに眠り込む 三日の疲れどっと出てきて
09,12,03夜


今日一日 何種類もの乗り物を 乗り継ぎ帰る我が家への道
09,12,03夜



旅いろいろトップへ戻る
kurooの部屋トップへ戻る