紀伊半島一周・初日は尾鷲まで


さよならレガシィ第三弾。紀伊半島一周の旅



 レガシィのお別れドライブに選んだのは紀伊半島一周の旅。レガシィへ長年の感謝を込
めて、最後の旅は神様の多い清浄な地を選んだ。またこれは神様に今までの人生のお礼を
伝える旅でもある。一生に一度の旅になるであろう紀伊半島一周を詳細に記録して、のち
のちゆっくりふり返りたい。                           
 朝8時に家を出て所沢から関越道に乗る。鶴ヶ島まで走り圏央道で東名へと抜ける。こ
の圏央道が開通したおかげで、東京都内を走らずに済むようになった。伊豆や静岡などへ
行くのがとても楽になった。今回も圏央道を通ることで渋滞を考えずに済んだ。    

 東名に入ってからも車の流れは順調だった。9時に足柄SAでトイレ休憩する。高速の地
図を手に入れ、詳細に行く手の情報を確認する。行き当たりばったりの旅なので、事前の
情報収集をまったくしていない。その場その場で確認しなければならないことが多い。 
 休憩後すぐに御殿場ジャンクションから新東名へと乗り換える。新東名は走りやすいと
聞いていたので迷うことはなかった。                       
 新東名は何というか…、全ての車が同じスピードで走っているという不思議な高速道路
だった。日曜日だというのに、誰も高速で走る人がいない。みな120キロ前後でおとなし
く走っている。よほど普段の取り締まりが厳しいのだろう。突出したスピードの車がいな
いので走りやすいのだが、困ったのは道が良すぎてすぐにメーターが上がってしまうこと
。気がつくと140キロくらいになっていて、気付いてあわてて120キロに戻すようなこと
が多かった。120キロ耐久レースのような様相で、これはこれでつらいものがあった。景
色に変化がないのもつらかった。山の中を走っているので町並みが見えずいつも同じよう
な景色ばかりでじつに単調なドライブだった。                   

 270キロ走って浜松SAで休憩。ここで昼食にする。ゆっくりとSA内を見て歩く。浜松
と言えば大河ドラマの直虎が話題で、その関連商品も多い。フードコートの「うな濱」で
「ひつまぶし」を注文する。今回の旅はできるだけ地元の料理を食べることにしていて、
その第一弾ということになる。一つのひつまぶしを二人で分けて食べる。量的にもこの方
法がベストだ。                                 

フードコートでひつまぶしを注文する。浜松と言えばうなぎだろう。 浜松と言えば大河ドラマの「女城主直虎」だろう。見たことはないが。

 浜松で休憩後は一気に名古屋まで走る。新東名から東名・伊勢湾岸道路と走り、名古屋
の港が見えた時は歓声を上げた。やっと風景を楽しむ場所に来られた。        

 東名阪自動車道に入り、少し安心した。名古屋周辺の高速道路は分岐が多く、ナビが信
用できないため運転にすごく気を使ったからだ。東名阪自動車道に入ればあとは一直線な
ので、ここで安心して御在所SAで休憩することにした。               
 御在所SAで一番にやることは今日の宿を決める事。時間的に尾鷲まで行ければ今日は終
わりそうな雰囲気なので、車の中でパソコンを広げ、尾鷲の宿情報を見る。三軒の宿をピ
ックアップして、電話する。最初の宿で宿泊が決まり、胸をなで下ろす。宿は「ホテルビ
オラ」で素泊まり、一人6000円とのこと。宿さえ決まればあとはそこに行くだけ。気持ち
が楽になる。                                  

 東名阪自動車道から伊勢自動車道に名前が変わり、分岐から紀勢自動車道と最後の高速
道となる。最後の休憩地として休んだのが紀北SA。ここには始神(はじかみ)テラスとい
う道の駅のような施設が併設されていて、いろいろ買い物が出来た。         
 ここで見た「めはり寿司」を明日の朝食用に買う。ソフトクリームを食べるが味は普通
だった。お土産が充実していたが、ここでお土産を買うわけにもいかないので見るだけに
した。                                     

レガシィ最後の旅。最後まで元気に走って欲しい。 始神テラスの看板。尾鷲の文字が見える。ずいぶん遠くに来た。


さんま寿司がズラリと並んでいる。 こちらは牡蛎寿司。旨そうだが買うのはためらう。


結局、ここのめはり寿司を明日の朝食用に買った。 買い物をするカミさん。ここで土産は買えないのに。

 尾鷲北で高速道路を下り、市街に入る。海岸近くのホテルビオラまでは一本道でわかり
やすかった。大きなビルの少ない町で、ホテルはすぐにわかった。ここまで550キロ走っ
たことになる。レガシィもよく走ったものだ。                   
 チェックインしてパンフレットなどを見ながら食事処の情報収集。市内に何軒もお店は
あるが食べるのは一軒だけなので慎重に選ぶ。「あけぼの鮨」という店の「こけら寿司」
という料理が旨そうだったので、そこに決める。フロントで聞くと、歩いて15分くらいと
のこと。道を教えてもらって外に出る。外は思いの外寒かったが歩くので問題はない。 
 トンビが多く、ピーヒョロピーヒョロとうるさい。見ると電線にトンビが止まっている
ので驚く。潮の匂いも港町だと実感させてくれる。古い市街地には港町特有の建物が並び
、こうして歩いて見ないとわからない風情が漂っていた。              

尾鷲の町で見かけた壁画。鰹漁の絵に港町の風情を感じる。 昔ながらの町並みに港町の風情がちらほら。空ではトンビがうるさい。

 あけぼの鮨口開けの客となり、カウンターで大将にいろいろ話を聞く。看板料理でもあ
るこけら寿司とは押し寿司のこと。この地方特有の祝い料理で、色鮮やかな具材が特徴だ
とのこと。こけら寿司とミニ懐石を頼み、日本酒を注文する。突き出しで出たなまこの酢
の物が絶品だった。聞くとこの店オリジナルの三杯酢で700円で売っているとのこと。お
みやげ第一号で購入を決める。                          

あけぼの鮨カウンター席。クロモジの花が生けられていた。 つきだしのなまこ酢がとてもおいしかった。

 ミニ懐石は刺身盛り合わせ・天ぷら盛り合わせ・豚しゃぶサラダ・茶碗蒸し・ご飯・赤
だし味噌汁。てこね寿司は色鮮やかな具材をちりばめた押し寿司を12辺に切り分けたもの
で、美しい。料理を交互につまみ、酒を飲み、大将の話に笑い、とても楽しい時間が過ぎ
、満腹になった。こういう名店を訪ねて食べるのはじつに楽しい。地元ならではの料理や
酒に巡り会い、話に酔う。大満足の夕飯となった。                 

刺身は新鮮そのもの。ここでしか食べられないエビが絶品だった。 豚肉しゃぶしゃぶサラダ。野菜もおいしい。


てこね寿司の由来を説明してくれた大将。郷土の祝い料理とのこと。 形も色も美しいてこね寿司。酢飯がぎゅっと詰まっているので重い。


温かい茶碗蒸しが最高だった。 天ぷらは少し食べてしまってから写真を撮った。


デザートはイチゴミルク。カミさんが食べた。 大満足のカミさん。


あけぼの鮨の外観。 本当にごちそうさまでした。

 腹ごなしに歩いて帰る道すがら、開いていたスーパーをのぞく。総菜コーナーの寿司を
見ると、めはり寿司とさんま寿司がズラリと並んでいる。これがこの地方の常食なのだと
わかる。さすがに満腹では買う気にならない。帰り道の途中にあった尾鷲神社に参拝する
。夜で誰もいない神社だったが、厳粛な雰囲気でとても良かった。          

帰りに寄ったスーパーの総菜コーナー。めはり寿司がいっぱい。 尾鷲神社に寄ってみた。


夜の神社は静寂に包まれていた。 夜の神社で旅の安全を祈る。

 宿に戻ってパソコンで明日のルート検索と宿の検索をする。明日から本格的に紀伊半島
一周の旅が始まる。                               


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