紀伊半島一周・吉野から名古屋へ


吉野神宮を参拝して名古屋に走り、夜はイルミネーションを見に行く。



 吉野元湯の朝風呂と朝食は最高だった。島崎藤村が滞在したという宿で、ぬるめの温泉
と細やかな味付けの懐石料理を堪能した。今回の旅一番の贅沢をした気分。また再訪した
い宿のひとつになった。出来れば桜の花が咲く頃に来られればいいなあと思う。    

朝食も食事処で食べる。 シンプルで豪華な朝食だった。


小鉢の料理はそれぞれに味を主張している。 高野豆腐の煮物。旨かった。


ふろふき大根に柚子味噌。 カミさんも大満足。


部屋の藤村の来歴を書いてある資料。 吉野元湯を出る。お世話になりました。

 レガシィのエンジンをかけ、宿を出発し、七曲がりを登る。七曲がりの道では地元の人
が総出で道の整備をしていた。花の季節を前にきれいにしておくという観光地としての心
配りなのだろう。目が合うので目礼しながらゆっくりと登る。            

 今日最初の目的地は吉野神社で下千本から少し下った場所にある。吉野神社は後醍醐天
皇を静める社。手水舎で浄めて境内に入ると、本殿では平安時代さながらの装束で神職が
朝餉を捧げる場面に巡り合わせた。そのまま静かにじっくりと所作を拝観する。南北朝時
代からずっと続く所作を見ながら、歴史の舞台であった吉野を実感する時間だった。  
 境内には多くの桜の木がある。桜の季節の写真があったので見ると、満開の桜に包まれ
るような神社の写真だった。後醍醐天皇もさぞ豊かな気持ちで休まれていることだろう。

吉野神宮の鳥居をくぐる。 正門は右手にあった。横から入ってしまった……


本殿では神官による朝餉の儀式が行われていた。 桜の時期にはこのようになるらしい。見たかった。


内殿は格式のあるものだった。 ご朱印をいただくカミさん。


総門の格式。 参拝を終えた。

 後ろ髪を引かれる思いで歴史の里吉野を後にして名古屋を目指す。途中の道の駅「宇陀
路大宇陀」で「せんとくん人形」を発見し、記念写真を撮る。奈良のゆるキャラせんとく
んを初めて見たが、あまり可愛くないのがいいのだとわかった。           
 針ジャンクションから国道25号(名阪国道)に入る。これは一般道なのだが、高速道路
仕様になっている自動車専用道路だ。この道をひたすら走って名古屋に向かう。    
 途中の伊賀SAで休憩する。目に付いた伊賀コロッケバーガーを食べてコーヒーを飲む。
SA本体よりも隣に併設されたお土産ショップの方が静かで休むのに快適だった。トイレも
こっちの方がきれいだった。                           

せんとくんと写真を撮る。 せんとくんと握手してごきげんのカミさん。


揚げ物のコーナーがすごく充実していた。 「ねこだんご」なるよもぎ餅。丸い形が猫が寝ている姿らしい。


伊賀サービスエリア。国道なのに高速のようなサービスエリアがある。 お土産コーナーに忍者の里とある。


伊賀コロッケバーガーを食す。まあ、普通。 お土産コーナーをじっくり見るカミさん。買わないのに…

 関ジャンクションから東名阪自動車道に入る。思ったよりも順調に名古屋に近づいてい
るのでゆっくり走る。高速道路はさすがに距離をかせぐ。走行車線をゆっくり走るが、し
ばらく走って名古屋西ジャンクションに到着。ここから緊張の時間になる。名古屋のどこ
で下りたらいいかわからないからだ。ナビは当てにならないし、地名はわからないしで、
勘で下りる出口を判断する。線路が見えたので下りようと思ったのだが、どうも出口がわ
からずそのまま通り抜けてしまった。後悔したがもう遅い、一つ出口を過ぎてしまった。
 次の出口で出るが、なんと大渋滞している道だった。この道を駅に向かって走らなけれ
ばならない。昨夜やっとの思いで取った宿は駅前のキャッスルプラザだった。土曜日とい
うこともあって周辺の宿は全て満室。キャッスルプラザだけが空いていた。駅前の宿とい
うのは車では少し大変な場所だ。土曜日の渋滞は避けられず、道もよくわからない。  
 付いたり消えたりするナビを当てにしながらノロノロ走る。ある場所から渋滞が消え、
楽に走れるようになると、今度は曲がり道を間違えないように神経を使う。名古屋の道は
4車線とか幅が広いので曲がるのも大変なのだ。何とかホテルの看板を探して駐車場入り
口までたどり着いたのだが、入り口には「満車」の看板が立っている。絶望的な気分にな
って、そのまま車を停めてフロントに向かう。宿泊客だがと言うと、そのまま中に入って
いいとのこと。満車表示でも宿泊客の分は空いているとのこと。ホッとして車に戻り駐車
場に入れる。この時は本当に助かったと思った。予定より一時間ほどロスしてしまった。

よく走ってくれたレガシィ。 名古屋に到着し、チェックインを済ませた。

 三時にチェックイン出来たので、その後の予定を決めた。ここから「なばなの里」まで
イルミネーションを見に行くことにした。フロントで直行バスの話を聞いたのでそれにす
る。部屋で荷物を下ろし、寒さ対策の服だけザックに詰めて駅前のバスターミナルに向か
う。駅前のホテルで良かったと思うのだから人間は勝手なものだ。          
 カミさんの希望だった「なばなの里」は日本一のイルミネーションがある場所で、旅の
フィナーレにしようという計画だ。今までは自分の見たい場所ばかり回って来たので、最
後はカミさんの希望に応えようというゴマすり。まあ、自分でも見てみたい場所ではあっ
たが、一人だったら多分行かない場所かもしれない。                

名鉄バスでなばなの里に向かう。 土曜日の夕方とあって、多くの人が乗車していた。

 名鉄バスに乗って30分、なばなの里に到着した。帰りの時間を確認して入場する。入場
券は2300円で、そのうちの1000円は園内での金券になっている。すぐに近くのビアホー
ル「長島ビール園」に入りビールを飲みながら6時10分のイルミネーション点灯を待つ。
寒い中を歩き回るのも嫌だし、運転で疲れているし、夕食は頼んでないしということで、
ここでゆっくり食べて飲んで時間をつぶす。つまみに頼んだ名古屋風手羽先が旨かった。
桑名名物のはまぐり釜飯はいまひとつ、餃子は普通だった。最後は熱燗を飲んで真っ赤に
なってしまった。                                

なばなの里入り口は長蛇の列だった。 園内を書いた地図。思った以上に広い場所だった。


寒かったので、すぐにビール園に入って休憩。 ビール園には6時半のイルミネーション点灯を待つ人でいっぱい。

 6時半、待ちに待った点灯の瞬間、多勢の観客から歓声が上がった。さすがに日本一と
いうだけあって、見事なイルミネーションだった。光のトンネルからメインステージへと
一方通行を歩く。メインステージはこれがイルミネーションかという映像の素晴らしさに
感心した。少し寒かったが、高野山の寒さに比べれば楽なもの。帰りもバスで座ってのん
びり帰って来た。                                

点灯時に歓声が上がった。さすがにイルミネーションはすごい。 青色のイルミネーションがきれいだ。


夜桜の向こうに満月が昇る。予想外に夜桜がきれいだった。 池のイルミネーションは水面に光が映ってきれいだった。


光のトンネル入り口。「写真を撮らないで歩いて…」とアナウンス。 さすがにこのトンネルは見事だった。まさに光のトンネル。


メインイルミネーションは壮大な光の映像。 10分間くらいの映像がくり返し流れている。


帰りのトンネルは色が変わる光のトンネルだった。 夜桜がきれいだった。


池のイルミネーションは本当にきれいだった。 ベルトコンベア方式で押し出され、出口にたどり着く。


バスに乗って名古屋に帰ってきた。都会の夜はにぎやかだ。 駅前のイルミネーションでカミさんもごきげん。


名古屋駅はまるで高層ビル群のよう。 やっとホテルに帰ってきた。おつかれさま。

 駅前のホテルは土曜日という事もあって夜も人が一杯で、カフェもバーも満席だった。
バーで飲めなかったのは残念だったが、外に出るのもおっくうなので、部屋でビールを飲
んで最後の夜を過ごす。                             
 今日も一日よく走って良く歩いた。明日は熱田神宮に立ち寄って東名で一路帰宅の予定
。長かった旅も明日終わる。あっという間の7日間だった。             


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