写真展を見て二社一寺の参拝へ


九十九里で渡部さんの写真展を見てから二社一寺を参拝した。



 10月15日、「わたべえいじ写真展」を見に行った。会場は九十九里のサンライズホ
テルの二階。久し振りに会った渡部さんは満面の笑顔で迎えてくれた。        
 作品は41点、九十九里の海の様々な色と表情を伝えてくれる。緑の波浪に驚き、夕陽
に染まる海、空一面のシギ、レンブラント光線の空と海、などなど41種類の世界が展示
されていた。作品の解説を読むと撮影した時の様子がよくわかる。          

渡部さんの写真展会場入り口。サンライズ九十九里の二階です。 写真展会場で渡部さんと一緒に記念写真を撮る。

 渡部さんと話したら、年に二百日朝と夕に浜に出て、一回2000カットくらい撮影す
るという。膨大な写真の中から厳選した41枚だった。カラーバランスを考えた展示も素
晴らしかった。少し残念だったのは背景がガラスで明るいこと。微妙な作品の色がわから
ない。次回は是非白い壁の画廊で見てみたいものだ。                

写真の一枚一枚にストーリーとロマンがあった。 見ていて飽きない九十九里の様々な色が素晴らしい。


この階段の上が写真展の会場になっている。 持参した生花が会場に飾られた。

 九十九里から成田に走り、成田山新勝寺に参拝する。成田山新勝寺は真言宗智山派の仏
教寺院で、山号を成田山、寺号を新勝寺という。ご本尊は不動明王、空海作の不動明王と
言われている。開山は平安時代中期、平将門の乱での調伏祈願の為に朱雀天皇の内示で当
地に不動明王が安置されたのが始まり。ちなみに平将門を祀る東京の神田明神社とは対抗
関係にあり、両社を参拝するのは忌まれている。                  

成田山新勝寺入り口の堂々とした総門。外国人がいっぱい。 急な階段を登った場所にある三門。成田山は階段が多い。


大本堂の前でお線香の煙を浴びる。 美しい三重の塔。あまりの美しさに足が止まった。


出世稲荷を参拝する。お狐さんがいっぱい並んでいた。 社務所でご朱印をいただくカミさん。


釈迦堂の外側は木彫りの仏像がずらりと並ぶ国宝だった。 この釈迦堂は素晴らしかった。

 外国人が多いと聞いていたが本当だった。三重の塔の壮麗さに驚き、大本堂の不動明王
に手を合わせる。出世稲荷に詣で、釈迦堂の釈迦如来、光明堂の大日如来を見上げる。平
和大塔の青不動の前で言葉をなくし、新築したばかりの醫王殿で檜の香りにむせびながら
大日如来に拝謁した。                              

奉納された額だけを納めた額堂。 中に成田屋・初代市川團十郎の石像が納められていた。


光明堂の大日如来が素晴らしかった。 平和大塔の中には青い不動明王が安置されていた。


新築の醫王殿はヒノキの香りが充満していた。 三門の下で子供が一人遊んでいた。

 夕方の新勝寺は人も少なくゆっくりとお堂を回る事が出来て良かった。今日は門前の若
松本店に宿泊する。駐車場が少し離れているが良い宿だった。宿泊は10組ほどで半分が
外国の人だった。                                

若松本店の宿泊した部屋。 夕飯がまた素晴らしかった。この料理の他にうなぎが出た。


フロントでチェックアウトしている。 若松本店は本当に成田山新勝寺の門前だった。

 16日朝、成田山の門前町を散策する。中国人の観光客と一緒に写真を撮ったりしなが
ら様々な店を見る。竹製品の店があり、つい見入ってしまう。深編み笠や三度笠など今で
は見かけないものがあって目を奪われた。                     

門前町で買い物をしている。 本当に様々な店が繁盛していて、歴史を感じさせる町並み。

 10時になったので朝飯を抜いてまで食べたかった「川豊」の鰻重を食べる。江戸時代
から百年以上続くといううなぎ専門店は開店と同時に客が入って来る。店頭でうなぎを捌
く様子を観光客が写真に撮る。活気にあふれる店だった。鰻重は柔らかくふわふわで素晴
らしかった。                                  

成田山と言えば何と言ってもうなぎ。川豊のうなぎを食べる。 うなぎを食べる幸せそうなカミさん。


店先でうなぎを捌く主人。 この店の歴史も長い。江戸時代から続く老舗だ。

 おなかを満たして車で香取神宮を目指す。カミさんのご朱印集め旅は成田山から武道の
神、香取神宮・鹿島神宮へと伸びる。                       
 香取神宮は下総国一宮で、ご祭神は経津主(ふつぬし)大神またの名を伊波比主命(い
はひぬしのみこと)。経津主神は武甕槌(たけみかずち)神とともに天津神であり、出雲
で大国主命から国土を奪い、諏訪の建御名方(たけみなかた)神を追い東に進軍し、東北
の神々を平定する為にこの地に来た神だ。鹿島神宮のご祭神がその武甕槌(たけみかずち
)神なので、この二柱の神様は高天原から派遣された同じ目的の神様同士だとわかる。 
 奈良時代に隆盛を極めた藤原氏はここ香取神宮の経津主(ふつぬし)大神など4柱の神
様を迎えて春日大社を創建した。当時、香取神宮は東国一宮と称せられていた。下総国一
宮というのは近代の呼び方だという。                       

下総国一宮の香取神宮入り口。 参道に入ると空気が変わる。


大きな堂々とした鳥居。すぐ横で保育園児が宴会していた。 朱色の総門が美しい。

 参道から鳥居をくぐり、燈籠の並ぶ清浄な表参道に入ると空気が変わるのがわかる。玉
砂利を踏む音と参道脇を流れる清水の音だけが聞こえる清浄な地だ。社殿は本殿・弊殿・
拝殿が連なる権現造りで国の重要文化財に指定されている。             
 ご神木は幹周り8メートルの巨大な杉。見上げると堂々たる姿がまるで動き出しそうに
見える。香取神宮と鹿島神宮で尾と尾を押さえ込んで地震の大ナマズを鎮めているという
「要石」を見る。最近地震が多いのは要石の霊力が弱まったせいなのか?神域で不謹慎な
事を考えてしまった。                              

堂々とした本殿に参拝する。 境内には巨大な杉が林立していた。


源実朝が奉納したという三本杉。この太さがすごい。 カミさんも同じ杉で遊ぶ。


拝殿前のご神木。幹周り8メートル。 境内には静かな空気が漂っている。神域は本当に静かだ。


地震のナマズを鎮めているという要石はここだ。 要石の下には巨大な岩石がつながっているという。

 そして車は鹿島神宮へ。立派な参道の奥に鎮座する鹿島神宮は武道の神様。常陸国一宮
であり、ご祭神は武甕槌(たけみかずち)大神で、香取神宮に祀られている経津主(ふつ
ぬし)神とともに出雲から諏訪と平定し、東北の蝦夷(えぞ)を平定する為の拠点として
この地を選んだと言われている。                         

大きな鳥居の先に鹿島神宮がある。鹿島神宮は常陸国一宮だ。 朱塗りの総門は香取神宮と似ている。


境内にはたくさんの参拝者がいた。 拝殿で参拝する。鹿島戦の勝利を願ったが、場違いだったか??

 大鳥居をくぐり楼門を仰ぎ、拝殿へと進む。拝殿は徳川二代将軍秀忠によって元和元年
に再建されたものだ。ずっと昔40年以上前、ここに大晦日の夜から来て初詣をしたこと
があった。その時の記憶がよみがえり懐かしかった。その時は夜のうちに犬吠埼まで車を
走らせ初日の出を見に行った。残念ながら曇りで日の出は見られなかったが若さ故の行動
だった。                                    

奥参道を歩く。素晴らしい神域。 奥宮は何というか不思議な雰囲気のある拝殿だった。森の化身のよう。


奥宮の参道も素晴らしい。 鹿島神宮の要石は上が凹んでいる。これも下が巨石になっている。


奥宮前の茶屋で休憩した。 奥参道の森を眺めながらお抹茶とお餅をいただく。

 奥宮の神秘的な景観に感動し、要石までの参道にしびれ、茶屋で抹茶に舌鼓を打つ。参
道の両側には2000年の森が広がっている。大木が林立するこの森が素晴らしかった。

奥参道の森が本当に素晴らしかった。 1200年の森が迫ってくる。

 鹿島神宮を出て、潮来インターから高速に乗る。東関道から圏央道、関越道と回って自
宅に帰ったのが6時過ぎ。何とかサッカーの代表戦に間に合った。充実した二日間の旅だ
った。                                     


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