天空の寺へ・奈良の旅三日目


二つの天空の寺、室生寺と長谷寺。そして二つの神宮を参拝する。



 奈良三日目、朝食はホテルでコンビニおにぎりとカップうどんを食べる。手軽な食事が
楽でいい。今日はホテルをチェックアウトして足を伸ばし、女人高野と呼ばれている室生
寺を目指す。室生寺から長谷寺、大神神社(おおみわじんじゃ)、石上神宮(いそのかみ
じんぐう)を回り、奈良市内のホテルに行く予定になっている。           

朝、ホテルの窓から見下ろす景色。駅では多くの人が行き交っている。 畝傍山を眺めるのもこれが最後。眺めの良いホテルだった。

 車は雷(いかづち)の丘を曲がり、山野辺の道を走り、山田寺跡を右にみて桜井に向か
う。飛鳥からの道と国道165号線の交わる桜井は昔からの繁華街で、その昔は海石榴市
(つばいち)と呼ばれる場所だった。ここを右折して初瀬道(はつせみち)へと方向を変
える。平安時代「初瀬参り』の舞台になった道だ。京都から初瀬の長谷寺に通った女性達
が歩いた道でもある。                              
 奈良の道は歴史ある道だが、車で走っていると普通の道だ。全国どこにでもあるチェー
ン店やコンビニが普通に並んでいる。当たり前の道路風景だが、その奥にある歴史を考え
るとすごい場所を走ってることに気がつく。車はその舞台の一つ長谷寺の横を走り抜け、
室生寺を目指す。                                

 初瀬街道を走って約1時間、室生寺口大野に着いた。ここから山道に入る。両岸が迫っ
てくる山間に室生川が流れ、山桜がそこかしこで咲く静かな道だった。山桜がひときわ目
立つ明るいカーブを曲がると室生寺前に到着。急にたくさんの建物が目の前に広がる。駐
車場はなく、民間駐車場に車を停め、五百円を支払う。9時過ぎで、まだ時間が早いため
か人も車も少なかった。                             
 太鼓橋を渡ると目の前が室生寺だ。山桜が綺麗に咲いている。室生川の清らかな流れの
中にたくさんの魚の群れが見えた。上流の山々は緑の中に山桜が綺麗に咲いていた。  

室生川を渡る太鼓橋。これが室生寺の入り口。 太鼓橋から上流を眺める。緑の山に山桜、川には魚影が見える。


室生寺の門が見える。 山桜がきれいに咲いている。


門前町の佇まい。町もお寺と同じ歴史がある。 やっと室生寺に来ることができた。


苔の緑が鮮やかな前庭。桜の花びらが散っている。 人々が登り続けてすり減っている石段。素晴らしい景色だ。

 室生寺は奈良時代の創建とされる真言密教の道場だ。室生山の斜面に広がる境内に金堂
、天竺様を応用した本堂、日本最小の五重塔などの国宝建築が立ち並ぶお寺だ。仁王門は
工事中だったが、その先に金堂に登る鎧坂の石段が室生寺らしい風情ある石段だった。ま
だ咲いていなかったが、この階段の両側はシャクナゲが密生している。ここだけでなく室
生寺全体の石段とシャクナゲの景色は素晴らしい。花の時期に来たらさぞ綺麗なものだろ
うと思う。                                   

 金堂に参拝する。まず目に入ったのは大きな石仏、地蔵菩薩像だった。国宝の釈迦如来
像を中心に五体の仏像が安置されており、左端の国宝十一面観音立像が素晴らしかった。
鮮やかな彩色の光背が目を引き、そこだけ空気感が違っている。あどけない少女のような
等身大仏像は自然に両手を合わせたくなるお姿だった。手前に立つ十二神将像などもじっ
くり見て手を合わせ、歴史を感じた。                       
 金堂から本堂へと登る途中に広場があり、池の側で桜の花びらがはらはらと散るのを楽
しんだ。高い山桜の木から花びらが散ってくる。風がないので本当にひらりひらりと散っ
てくる花びらが綺麗だった。時間を忘れて見上げていた。              

金堂に参拝。たくさんの仏像に見入ってしまった。 こけら葺きの弥勒堂。雰囲気がいい。

 本堂に参拝し、遠くからご本尊の如意輪観音菩薩像に手を合わせる。ここは灌頂を行う
真言密教寺院の中心地だ。本堂背後の山桜が綺麗に咲いている。           
 本堂の横から室生寺独特の石段を見上げると、そこに日本最小と言われる五重の塔が建
っていた。                                   
高さ十六メートル余という小型で綺麗な五重の塔だ。平成十年に台風の倒木で損傷したこ
とがニュースになったが、平成十二年に修復・落慶した。シャクナゲの花とセットで写真
になることが多い塔だが、今はまだ残念ながらシャクナゲの花は咲いていない。    

苔に覆われた風情ある石段。 本堂は灌頂(かんじょう)堂とも呼ばれる真言寺院の中心。


池のある広場。桜の花びらがハラハラと散るのをじっと見ていた。 境内の様子。緑がきれいだ。


山登りのための杖を貸し出している。 山桜の花びらが音もなく散る様が素晴らしかった。


国宝の可愛い五重の塔。階段の両側にシャクナゲが密生している。 本堂横から見上げる五重の塔。素晴らしい。


本堂、五間四方の入母屋造り。如意輪観音像が安置されている。 両側にシャクナゲが咲いたら素晴らしい景色になるだろう。

 ここから奥の院を目指して山を登る。ここからの階段が急ですごかった。まさに胸突き
八丁の急勾配。おまけに石段の幅が狭く怖いくらいの急傾斜。手すりにつかまらないと立
って休むことも出来ない。竹の杖を借りて登ってきたが、杖どころか手を石段につけなが
ら登るような急階段。降りてくる人が落ちるんじゃないかと怖いくらいだった。    
 やっとの思いで登った奥の院には舞台造りの位牌堂と弘法大師像を安置した御影堂があ
った。汗を拭いて御影堂に参拝し、位牌堂を回る。舞台造りの欄干から見下ろす下界は奥
の院の高さを強調していた。川筋から門前町の風景が眺められ、豆腐のラッパのような音
が響いていた。                                 

奥の院への石段はものすごい急傾斜。怖いような石段だった。 懸崖造りの奥の院が見えてきた。見上げるのが怖いよう。


カミさんも疲れてきた。 元気そうなふりをしているけど、足はボロボロ。


弘法大師42歳の像を安置した御影堂。 舞台造りの位牌堂。欄干があり、ぐるりと一周できる。


欄干から見下ろすと石段が延々と見える。 裏からは下界の町が見え、何か笛の音が聞こえる。


位牌堂の欄干。 急な石段を降りて一息。巨大な杉が立ち並ぶ下界。

 下りは手すりにつかまりながら慎重に下った。石段の幅が狭いので下りの方がずっと怖
い。痛い膝に苦労しながら、巨杉の林立する下界に降りてきてホッとした。      
 カミさんの御朱印集めも順調で、ちょうど一冊が終わったようだ。次の場所で新しい御
朱印帳を買うと言っている。桜の散る境内は本当に静かで別世界だった。仁王門まで降り
てきたら花木園の一角でシャクナゲが咲いていた。これが全山咲いたら本当に見事なもの
だろう。                                    

巨大な杉と記念写真。 石段を下る観光客。室生寺ならではの石段が美しい。


護摩堂の周囲は庭園になっている。 庭園で唯一咲いていたシャクナゲの花。時期にはこれが全山を覆う。

 門を出て太鼓橋の上で日に当たって暖まる。川に泳いでいるのはヤマメだろうか。朝よ
りも魚影が多くなっていた。まさか室生寺の門前で釣りをするバカもいないだろうが、ふ
と「釣れるかな・・」などと考えてしまった。反省・反省。             

 車は花吹雪が舞う同じ道を戻り、長谷寺を目指す。長谷寺の民間駐車場に車を停め、五
百円を払って参道へと向かう。昼時だったので何か食べてから参拝しようということにな
り、すぐ近くにあった「味処」という食堂に入る。食べたかった三輪にゅうめんを注文し
た。にゅうめんは具沢山で暖かくて美味かった。セットの筍ご飯も美味しかった。お腹を
満たしていざ長谷寺に参拝する。                         

にゅうめんランチを食べる。暖かい麺が美味しい。 お腹が空いていたので美味しかった。

 長谷寺は真言宗豊山派の総本山で、関係寺院は三千ケ寺を有し、檀信徒は二百万人と言
われている。また花の寺としても有名だ。今は「天空の寺」としてテレビコマーシャルが
流れている。                                  

 受付で入山料を払って入山すると、素晴らしい仁王門が迎えてくれた。仁王門の「長谷
寺」の額は後陽成天皇の筆。入るとすぐに長谷寺の象徴でもある登廊(のぼりろう)があ
る。三百九十九段の緩やかな石段が豪華な屋根に覆われている。軒には風雅な長谷型灯篭
が下がっている。途中の蔵王堂で一休み。大勢の中国人観光客がスマホで登廊を自撮りし
ていた。さらにひと登りして本堂に到着。集印所でカミさんが御朱印帳を求めたのだが、
表紙の柄が気に入らないようで何やら言っている。                 

長谷寺の入り口。 階段の上に仁王門が見えた。


長谷寺の名物、登廊をゆっくり登る。 登廊から左側に登る石段がきれいだった。会心の一枚。


登廊途中の石垣。斜面に作られたお寺ということがよくわかる。 蔵王堂から見下ろす登廊の屋根。美しい。


蔵王堂から見下ろす登廊の梁が美しい。 蔵王堂に参拝。巨大な石の五鈷杵(ごこしょ)に触れる。


登廊の終点、本堂に到着した。ここに御朱印所がある。 本堂の欄干にはいい風が通っていた。

 まずは愛染堂の愛染明王に参拝する。先に御朱印を頂いているので、その分は全部参拝
しなければならない。そして本堂の十一面観音像に参拝する。その黄金の輝きと大きさに
圧倒されてしまった。しばし声も出ない状態で両手を合わすだけ。この像に会うための初
瀬詣でだったのだと納得する。                          

登懸崖造りが素晴らしい。 長谷寺の象徴にもなっている五色の旗がきれいだ。


気分良く記念写真を撮る。 見下ろす長谷寺の景色も素晴らしい。


欄干から本堂を振り返る。 欄干から見下ろす景色がいい。


欄干で写真を撮るカミさん。 カミさんも記念写真。後ろに五重塔が映った。

 この観音像に直接触れることができる特別拝観が行われており堂を一周してから拝観さ
せていただく。堂内に入る狭く低い通路を通り、案内された先に巨大な足があった。順番
で参拝し、十一面観音像の御御足に両手で触れる。冷たい金属の感じかと思いきや、暖か
い木肌だった。多くの人が触れたであろうおみ足はピカピカに黒光りしていた。見上げる
と巨大な観音様が見下ろしている。その巨大さを何と表現したら良いのか言葉を失う。こ
の安心感は何だろう。どれだけの人がこの姿に救われたのだろうか。名残惜しいくらいに
後ろ髪を引かれながら順番に従ってお堂の外に出た。                

特別拝観の巨大ポスター。 本堂の中から・・外の緑が美しい。

 本堂の舞台に回って長谷寺の全体を眺める。懸崖造りの舞台上では多くの人が写真を撮
るのに忙しい。絶景が目の前に広がり、薫風に五色の旗が揺らめく様は別世界のようだっ
た。右手の丘には五重塔がそびえ立ち、目の前には登廊の屋根瓦が竜のように緑の中をう
ねっている。素晴らしいお寺だ。                         
 しばらく景色を堪能し、大黒堂かた開山堂へと参拝の歩みを進める。桜の花びらが散っ
て緑の中に風の流れを見せてくれる。広大な寺域を回りながらその歴史を思う。六百八十
六年に天武天皇の勅願により道明上人がここに精舎を造営したのが始まりだという。何と
古代の話か。以来どれだけの人がこの寺に詣でたのか想像することも難しい。石段がピカ
ピカにすり減っているのも古代からの人が歩いた結果だ。花が咲き乱れる良い時期に参拝
できてよかった。                                

下りながら眺める景色も素晴らしい。 ゆるやかに優しい下り坂。ゆるゆると下る。


本坊の石垣はまるでお城のよう。 参道の昼食を食べた味処。帰り際にパチリ。

 参道の店を覗きながら駐車場に戻り、長谷寺を後にする。初瀬の信号を右折し、初瀬街
道を桜井に向かって走る。次の目的地は大神(おおみわ)神社だ。ところがナビの指示す
る道を間違えてしまい、細い道に迷い込んでしまった。そのまま民家の軒をこするように
細い道を右往左往して何とか大神神社の大鳥居までたどり着く。土地勘がないから仕方な
い事とはいえ、もう二度と走らない道だろう。スリリングなドライブだった。     
 大鳥居の駐車場に車を停めて歩き始めたが、これが失敗だった。神社入り口近くに駐車
場があり、空いていたからだ。知らなかったとはいえ、神社から一番遠い駐車場に車を停
めてしまった。しばらく歩いて入り口に到着してわかったことなので仕方ない。初めての
場所ではよくあることだ。                            

大神(おおみわ)神社の二の鳥居。奥に参道が伸びる。 まっすぐな参道。空気が変わって来る。

 二の鳥居をくぐって大神神社の参道を歩く。深い森が広がり、神社の古さを感じさせて
くれる。大神神社の境内に入る場所には鳥居ではなく巨大なしめ縄がかけられている。神
職が長い竹竿でしめ縄の幣束を外していた。新しいものに取り替えるのだろう。    
 広い境内をまっすぐに拝殿に向かう。ここは拝殿しかない神社。ご神体は裏の三輪山全
体なので本殿がない。拝殿の奥に三ツ鳥居が建っている。大国主神(おおくにぬしのかみ
)が自らの魂を大物主大神(おおものぬしのおおかみ)の名で三輪山に鎮めたとされてい
る。この大和の地になぜ出雲神が祀られているのか、なぜここが太古より神の山とされて
きたのか、謎ばかりだ。間違いないのは太古から三輪山が大和で一番神聖な山であったこ
と。三輪山の神を奉斎する一族の比売(ひめ)を神武天皇が妻とすることで大和朝廷が成
立したということ。いわば日本国の原点でもある。                 

手水舎の青竹が美しい。 鳥居ではなくしめ縄がかかっている境内。係りの人が幣を取り替えている。

 カミさんが御朱印を頂いている時間に、境内にある巳の神杉に参拝する。三輪の大神の
化身と言われる白蛇が住んでいると言われている。白い石や卵がたくさん供えられていた
。境内にあるものや見渡せる全てのものにいわれがありそうだ。空気が違う。     

荘厳な拝殿。本殿はなくご神体は背後の三輪山全体。 ご神体の化身である白蛇が住んでいると言われている杉の木。

 参集殿で一休みして、狭井(さい)神社に向かう。途中の参道はくすり道と呼ばれてい
る。薬木や薬草が植えてあり、名札が付けられている。狭井神社は薬の神様だ。大きな池
のほとりに弁天様が祀られている。横に三島由紀夫の「清明」の石碑があったが、いわれ
などは分からない。                               

豪壮な祈祷殿。 狭井神社の鳥居。深い森の中。


三島由紀夫の石碑があった。 この神社も鳥居ではなくてしめ縄が境内の入り口にかかっている。


狭井神社に参拝する。 ご神水の看板。

 狭井神社に参拝し、裏手にある薬井戸に向かう。この井戸からは万病に効くという薬水
が湧いている。参拝者は自由にコップで飲むことができる。井戸だけれども蛇口をひねっ
て水を出すという優れもの。冷たくて美味しいご神水だった。            
 山の辺の道ともなっている砂利の参道をゆっくりと歩いて大神神社に戻る。途中に三輪
山登山口があった。さすがに登山をする体力はないので登らなかったが、狭井神社で受け
付けているらしい。                               

 カミさんを神社入り口に残し、一人で車を取りに行く。駐車場で横に車を停める親子が
いたので、神社前の駐車場が空いてますよ声をかけたらとても喜ばれた。三輪そうめんを
お土産に買ったカミさんを拾って、車は石上神宮(いそのかみじんぐう)を目指す。  

 素朴な道の途中に突然石上神宮の駐車場が現れた。そこに車を停め、細い脇道を登って
曲がったところに神宮の入り口があった。石上神宮は古代の豪族・物部氏の総氏神で朝廷
からの崇敬があつく、多くのご神宝を収蔵している。そしてその神宝の大部分が劔などの
大量の武器だった。いわば武器の神様と言えるかもしれない。この地に大量の武器を納め
、神宮として奉斎することの意味とは何だったのか。一説によると壬申の乱で大海人皇子
が勝利したのは、いち早く石上神宮の武器を抑えたからだと言われている。拝殿の裏の禁
足地からは大量の勾玉や剣・矛などが出土している。                

石上神宮の鳥居が見えた。 ここが入り口。軍事拠点らしい重厚な造り。

 手水舎で身を清め神宮に参拝する。入母屋造りの荘厳な拝殿は国宝に指定されている。
この裏に神聖な禁足地がある。古代からの歴史の舞台が目の前にある。厳粛な気分になる
のは古代からの空気がそうさせているのか。                    
 宝物の一つに珍しい形の剣がある。「七枝刀(ななつさやのたち)」という百済の王か
ら倭王に伝わったとされる剣で、七十五センチの両刃の剣身左右両側に三本ずつ枝様の両
刃が突き出ている鉄製剣だ。「百兵を退ける」ことのできる霊力があると言われている。
この「七枝刀」が中央に刻印された御朱印があり、神官曰く最強の御朱印だとのこと。剣
のいわれからも最強だということがわかる。                    

朱塗りの門がいかめしい。 荘厳な拝殿。歴史の厚さがここにある。


御朱印所にて七枝刀(ななつさやのたち)の御朱印をいただく。 境内全景。古代、ここは重要な軍事拠点だった。

 山の辺の道が境内にある。石上神宮が山の辺の道の北限で、ここから北は当時の朝廷の
力が及んでいなかったのではないかと言われている。多分その北の勢力に対する防御の拠
点としての石上神宮だったのだろう。武器庫の役割があったというわけだ。      
 様々な種類の鶏が放し飼いになっていて目を楽しませてくれた。のどかな神宮だが、古
代から同じように多くの人が参拝していたのだろう。その時間の深さが伝わってこないの
が面白い。歴史を知っていても知らなくても参拝する行為は同じだから。       

 車に戻り、奈良駅前のホテルをナビにセットする。四時を過ぎ、日差しが傾いてきた奈
良の山之辺から市の中央を目指して車を走らせる。                 
 ナビの指示通りに走り、四十分ほどで奈良駅前に到着した。ホテルは奈良駅前にあり、
立体駐車場の車を入れてホテルにチェックイン。外国人の多いホテルで、フロントは日本
ではないようだった。日本人の方が少ないのではないだろうか。部屋に落ち着いて窓を開
けたら奈良駅が目の前だった。                          

ホテルの窓から目の前に奈良駅が見える。 新しいホテルなので快適な部屋だった。

 ホテルのパンフレットに食事処のクーポンが付いていたので、その一軒に向かう。二人
分のお造りがサービスになるらしい。                       

 駅前から奈良公園に向かう道を歩く。いやはや外国人が多いこと。中国人の団体がコロ
コロバッグを連ねて賑やかだ。お店は徒歩五分くらいの場所にあった。上品な和食どころ
で、お造りはもちろん煮物も揚げ物も美味しかった。奈良の酒をたっぷり飲みながら今日
の旅を振り返る。何とも充実した旅だった。一日の終わりにこうして美味しいものを味わ
える幸せよ。                                  

サービスのお造り。 ハート形のカツ。


美味しかった料理。 厚揚げ。


一日歩いてお疲れ様。 美味しい料理とお酒に大満足。


食後の散歩。奈良駅の売店に「せんと君」がいた。可愛くない。 美奈良駅前から見上げるホテル。本当に駅前。



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