纒向遺跡へ


岡寺・安倍文殊院・箸墓古墳・纒向古墳などを見る。



 奈良三日目。今日は午前中に二つのお寺を回った。大和四寺の二つ、岡寺と安倍文殊院
だ。岡寺は門前をなんども通ったのだが、いつでも行けるような気がして行っていなかっ
たもの。ホテルを出て飛鳥方面にハンドルを切り、しばらく走ると岡寺がある。駐車場に
車を停めて急坂を登る。登った上に大きなイロハモミジの木が紅葉していた。十二月でも
まだ紅葉が残っていたのが嬉しかった。                      

駐車場から岡寺に向かう入り口。 登る道に落ちている紅葉が綺麗だった。


紅葉が残っていたのが嬉しかった。 赤い紅葉が散ってる道を歩くカミさん。


綺麗で鮮やかなイロハモミジが朝日に輝いていた。 鮮やかな紅葉を見つけて見上げるカミさん。

 岡寺の仁王門から入ると右手の丘に三重塔が見える。道は緩やかに登り眼前に飛鳥の景
色が広がる。寺はだいぶ高い場所にあるようだ。三重塔から山道になるのだがこの山道が
素晴らしかった。何が素晴らしいって、紅葉の山が素晴らしかった。イロハモミジの大木
が奥の院への参道をトンネルのように飾っていた。地面は紅葉の絨毯。この山道は本当に
素晴らしかった。                                

古色騒然とした仁王門が出てきた。これをくぐって寺に入る。 お地蔵さんが出迎えてくれた。


広い階段の道が上に続いている。 立派な三重塔が出迎えてくれた。


三重塔からの景色。飛鳥の街並みが遠くに広がる。 ここから奥の院へ向かう山道の紅葉が素晴らしかった。


紅葉の林が続いている。赤とオレンジの饗宴。 散り落ちた床紅葉も素晴らしい。


見上げる空も紅葉。 見下ろす谷も紅葉に染まっている。


イロハモミジの大木が次から次へと現れる。 山の上から見下ろす本堂の佇まい。


いよいよ山道の終わり。見事な紅葉でした。 瑠璃井の佇まい。

 奥の院の石窟や「るり井」の石碑が建っている井戸も風情があった。周囲の木々が紅葉
していて、歩いているだけで気分が高揚してくる。様々な石像が苔むしていて歴史を感じ
させる。奥の院から降りてくると本堂が五色の旗を風になびかせている。本堂には巨大な
日本最大の塑像の如意輪観音像が鎮座していた。その大きさに圧倒され手を合わせる。岡
寺は西国三十三札所の第七番札所になっており、古来から多くの人々の信仰を集めている
寺だ。日本最初の厄除け霊場としても有名な寺だった。               

瑠璃井の石碑。苔むしていい感じ。 お大師さまが見守っている。


仏像が何隊もあるが、苔むしていて歴史を感じる。 こちらの仏像もいい感じ。


奥の院の石窟。奥に大日様が祀られている。 鮮やかな黄色が目に飛び込んできた。


黄色の紅葉。イタヤカエデなのか?? 赤い紅葉もいっぱいある。


本堂でカミさんが御朱印をいただいている。 五色の旗が風になびいて綺麗だった。


庭も趣があってなかなか見ごたえがあった。 参拝者が多いのだろう、大量のおみくじが結ばれている。


誰がついても良い梵鐘があった。一回鳴らせてもらった。 これが日本一の塑像の如意輪観音様の写真。本堂の主。

 岡寺から桜井市に走り、安倍文殊院に向かった。このお寺も大和四寺の一つだ。受付で
本堂・浮御堂共通拝観券を購入する。まずは安倍晴明を祀る金閣浮御堂へ参拝する。  
 安倍晴明を祀る金閣浮御堂は周囲を七回廻って護符を投じる所作が求められ、堂内に入
るのに時間がかかった。七回も念入りにお願い事をしたのだから是非とも叶えてほしいも
のだが、効果のほどはどうなのだろうか。安倍晴明といえば陰陽師。平安時代の大スター
だ。数々の伝説を持つ人物で、魔除け・方位除けの守護神として人気がある。七回廻りお
さめ札を納めると七難の厄除けができるということだ。               

安倍文殊院で受付を済ませる。 金閣浮御堂を参拝する。この橋の向こうに御堂がある。

 境内にある古墳がすごかった。西の古墳・飛鳥時代のものだが、花崗岩の加工技術が素
晴らしい。石室のどの石も正確に立方体になっており、飛鳥の時代になざこの加工ができ
たのか不思議だ。削ったノミの跡すらない平面を触りながら謎の世界を知った。    

西古墳に入り、入口を振り返る。 石室内部の花崗岩の加工精度が素晴らしい。


飛鳥時代に花崗岩をこれだけ正確に削れたとは・・・ 古墳の前でカミさんの写真を撮る。


古墳前で記念写真。 安倍文殊院の本堂が見えてきた。

 本堂参拝の前に客殿に通される。ここで参拝の人数が揃うのを待つ。待つ間に抹茶と干
菓子の接待があり、思いがけなく温かい抹茶を飲むことできた。           
 安倍文殊院は御本尊の渡海文殊菩薩像が素晴らしかった。国宝の獅子に乗った文殊菩薩
、七メートルという大きな仏像は本堂の奥に鎮座していた。右前に駆け出しそうな善財童
子の立像がかわいい。他にも様々な仏像が安置されていて参拝が楽しかった。     

素晴らしい仏像ばかりで感動した本堂。 東古墳は立ち入り禁止になっていた。


白山堂に参拝して安倍文殊院の参拝が終わった。 美輪に移動する途中、車内から見た美輪山と大鳥居。

 昼食は美輪に走り、美輪素麺山本に入った。ここは工場・事務所・レストラン・売店が
一緒になった大きな建物。何と、卑弥呼の墓と言われている箸墓古墳の目の前にある。 
 寒かったので当然煮麺(にゅうめん)を頼む。サイドメニューで鮭の笹寿司とミニいな
り寿司を注文した。こんな日は温かい食べ物に限る。カミさんは湯葉煮麺を食べた。  

肉にゅうめんを注文した。柿の葉寿司付きのランチメニュー。 温かいにゅうめんがご馳走。


カミさんが注文したゆばにゅうめん。 三輪素麺山本の店内風景。次か次に人がやってきて素麺を買う。

 昼食後、車で箸墓古墳の周りを走る。車を止めて環濠から見渡す写真を撮る。卑弥呼の
墓というカフェがあったが立ち寄らなかった。近くの纒向遺跡へと向かう。纒向遺跡は巻
向駅の横にある。今は調査が終わり、白い目印の柱が林立している。コンクリートの柱か
と思ったらヒノキの丸太を白く塗った柱だった。ここに大和朝廷があったのか・・と感慨
深く跡地を写真に納めた。                            

卑弥呼の墓と言われている箸墓古墳。巨大な前方後円墳。 古墳の周囲の池は水が抜かれているようだった。


纒向古墳の案内図。 太田微高地の遺跡跡。今は広場になっている。


纒向遺跡の案内看板。 纒向遺跡の遺構はヒノキの柱によって表されている。


整然と並ぶ柱は古代の建物跡。 古代の建物を表した看板。

 三輪山を見上げるこの地に卑弥呼が暮らし、大和朝廷の基礎が作られた。そんな物語を
なんども読んだが、この場所がそうなのだという実感が湧いてこなかった。あまりに普通
な周囲の住宅街。細い道、買い物帰りの人、自転車に乗ったおじさん・・・奈良というの
は本当に不思議な町だ。                             

 大神神社の鳥居が見える近くに桜井市の埋蔵文化財センターがある。そこに入って纒向
遺跡がどれだけ素晴らしいものかを確認した。発掘された遺跡からの出土品に目を奪われ
た。大和朝廷の場所と言われる元になったのが外来土器の分布図だ。全国からの土器が出
土していることがよくわかった。古墳時代の最初にこれだけの都市があり、全国の人々が
交流していたのだから当然大和朝廷の始まりがここだということになる。(諸説あり) 

文化財センターに展示してある土器。日本の中心の証。 この埴輪もこの地区から出土したもの。


桜井市文化財センターの入り口。 この日の夕焼けをホテルの窓から眺める。


夕焼けから夜景へと変わる時刻だった。 ホテルのロビーにはクリスマスツリーが。

 それにしても、どこを掘っても遺跡に当たると言われている土地ならではの埋蔵文化財
の多さだ。奈良は本当に面白い。                         


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