瀬音の森とは? 3


瀬音の森 憲章



1999. 1. 15




序章

   木は森となり、森の雨は川となり、川は海へ降りていく。
   海は生き物をつくり、生き物は神の時間を経て、    
   虫となり、魚となり、鳥となり、獣となり、人となった。
   その中で、人だけが森と川と海の赦しを忘れた。    
   森に赦されるには、木々をわたる風と霧の匂いをきき、 
   川に赦されるには、せせらぎに浸り、         
   海に赦されるには、波間に漂うことだ。        

   私たちはもはや都市から離れて生きられない。     
   しかし、森のない惑星で生きることもできない。    
   気付いて、悔やんで、あきらめるか。         
   気付いて、悔やんで、戦うか。            

   生き物は海で生まれ、森で愛され、          
   飛び、泳ぎ、歩いて生きてきたことを思い出して、   
   私たちがほんとうに欲しいもののために、       
   瀬音の森の物語を創りだす。             




瀬音の森憲章


  私たち瀬音の森会員は、ここに参加する一人一人が自然を慈しみ、豊 
  かな自然を未来に伝えるためにこの憲章を定める。         


1 私たちは、豊かな渓流を育み、それを後世に伝えるため、ボランティ 
  アによる森づくりと各種の活動により環境の保護を図り、子どもの健 
  全育成と社会教育の推進を図るものである。            

2 「瀬音の森」は、釣り人を中心とした川を愛する人がつくる森の総称 
  である。そこでは、川を愛する人ならではの川と森と生き物に関する 
  知識と経験と技術を活かした森づくりが行われる。         

3 「瀬音の森」は全国につくられる。各地の既存の団体と緊密な連携を 
  図り、地域の森づくりに積極的に参加し、川を愛する森づくりという 
  本来の目的を達成する。                     

4 全国の「瀬音の森」はネットワークで結ばれる。すなわち、「瀬音の 
  森」は「地域の森の一部」であると同時に「瀬音の森の一部」となる。

5 私たちは豊かな自然を未来に伝えるために活動する。自然に接し、遊 
  び、学び、体験し、その知識、経験、技術を未来に伝える。