西木村の釣り:その2


今日一日は一つの川で過ごしました。



9月16日、今日はゆっくりと7時にクリオンを出た。昨夜、村役場の阿部さんが部屋
に来て、釣り場の情報を話してくれた。その助言に従って、上桧内のS川に行くことに
したのだ。地図で見るとこの川は脱渓点が無い。一旦入渓するとかなり奥まで脱渓点が
無いようなのだ。入り口の橋の広場に車を停め、着替えて身支度をする。水量はまずま
ずで、釣りには良さそうだ。橋の横から入渓し、仕掛けをセットする。日差しが強くて
暑くなりそうだ。                               

入渓点の橋横に停まっている相棒。 入渓地点の川の様子。手前の岩の影でいきなり釣れた。

岩の向こう側を流れていた毛鉤がフッと消えた。合わせると手元に大きな手応え。いき
なり20センチオーバーの丸々したヤマメが釣れた。これは幸先がいい。その後遡行し
てゆくが、魚はどうやら水深のある渕尻にいるようだった。そこから足早な遡行が始ま
った。いつもならじっくり攻めるのだが、今日はポイントを絞って釣り上がる。毛鉤が
引っかかりそうな場所では竿を振らないように心がけた。そのため効率よい釣りが出来
たように思う。とにかく途中で脱渓出来ないので先へ先へと急ぐ釣りになった。   

ここぞというポイント毎に魚が釣れる。瀬からイワナが飛び出し、22センチほどのヤ
マメが飛び出した。とある長い淵、底石があるポイントで、いきなり毛鉤が消えた。合
わせると竿先が重い。魚はなかなか寄って来ない。あろうことか下流へと走り出す。竿
を立て、のされないようにする。「外れるなよ、外れるなよ・・」という思いが通じて
やっと上がって来たのは26センチの丸々したヤマメだった。秋ヤマメにふさわしい素
晴らしいファイトだった。満足の1尾。                     

出会い頭でいきなり釣れた20センチオーバー。 上げるまでが大変だった大物。26センチは今期最高。


ここという所では必ず反応があった。荒瀬で釣れたヤマメ。 増水していたせいか、荒瀬からも飛び出した。

その後順調に釣れ続き、気分良く遡行していた。大きな淵の横を歩いていたら、後方か
ら大きな魚の影が走る走る。尺以上ありそうな影がビュンビュン走って渕頭へと消えて
いった。どこにあれだけの魚がいたのだろうか??人間が通り過ぎてから今さらのよう
に渕頭に走るというのは、どういう事なんだろうか。とにかく魚の影が異常に多い川で
あることは間違いない。大雨で増水したからなのか、魚がそこかしこから走った。  

いい型のヤマメが釣れました。 会心の釣りに思わず自分でカメラを向けて。


いい出方といい合わせが決まると嬉しくなります。 このくらい釣れると余裕が出てきます。

ずっとヤマメが釣れ続いたが、大きな堰を境にイワナが釣れ始めた。高さ5メートルは
ある堰だったので、放流した魚が交流する事もなさそうで、堰上で釣れたイワナが居着
きの魚なのかも知れない。これも上流にへ行くに従ってサイズが大きくなっていった。
大きな淵では必ず魚が走る。分かっていても、こればかりは致し方ない。むしろ魚ウオ
ッチンッグのつもりで走る影を楽しんだ。それにしてもデカいイワナが走る。    

瀬に出ている魚も多かったようです。 素早い出方をしたヤマメでした。


丸々太ったヤマメが釣れました。 思わず草むらに引きずり上げたヤマメ。目をぱちくり。


荒瀬で釣れた元気なヤマメ。 堰の上からはイワナが釣れ始めました。

明るい深瀬で大きなイワナが釣れた。写真を撮ると26センチはある。しばらく眺めて
毛鉤を外し、水に戻すと何だか様子がおかしい。水中でクルクルと回転している。気に
なったのでしばらく様子を見ていた。さほどの傷は負わせなかったはずなのだが、どこ
か掛かりどころでも悪かったのだろうか・・? 流れのゆるい底に沈んだままじっとし
ている。時折、片方のえらを大きく開くのが赤く見える。普通なら勢いよく渕頭に走る
はずなのに、何だか妙な仕草が気になってそこから動けなくなった。そのうち回転する
ことは無くなって、ゆっくりと大きな岩の影に隠れた。う〜〜ん、一体何だったんだろ
うか。気になる。                               

このイワナが目を回していたイワナです。 こんな流れから飛び出しました。

脱渓点手前の堰堤下で大きな魚を2尾バラした。1尾はいきなりのアタックに合わせが
ストライクになってしまった合わせ切れ。2尾目は粘りに粘った上に来たアタックに、
合わせも決まったのに掛かりが浅く外れてしまったもの。どちらも天を仰いでしばらく
動けなかった。痛恨のバラシを連発・・・これをシオに脱渓した。ヤマメ:26センチ
を頭に15尾。イワナ:26センチを頭に5尾。私にしてみれば大満足の釣果だった。

鼻歌も出た帰り道。気分最高。 ススキまで祝福しているようでした。もう秋ですね。

車まで約1時間の歩き。車に戻ると近くで農作業をしていたおばあちゃんが「釣れたか
い」と寄ってきた。ハウルの動く城に出てくるような可愛いおばあちゃんで、写真を見
せたら大喜びで笑っていた。何でも、近くで民宿をやっているとのこと。クリオンもい
いが、おばあちゃんの民宿もいいかな、なんて考えていた。とにかく、西木村はいい。