桧木内川支流を釣る
6月だというのに30度を超える暑さ。そんな中で釣りをした。
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久しぶりにやってきた田沢湖。 |
初めて観た姫観音像。 |
6月20日の朝早く家を出て秋田に向かった。毎年恒例の森林ボランティア作業に参加す
るためだ。朝2時に家を出て7時間半走って秋田の仙北市には朝9時に着いた。久しぶり
の田沢湖は変わらず綺麗だった。湖畔の「姫観音」像の前で車を停めた。この観音様は今
まで気がつかなかった。何度も来ていたがいつも通り過ぎていたようだ。お詫びの印に写
真をパチリ。今日はこれから1日西木町の川で釣りをする。夜は温泉に泊まってぐっすり
寝て、明日の作業に備える。毎年、これが楽しみになっていて、他の参加者より1日早く
現地入りしている。西木町のいつもの店で釣り券を買ったら、おばさんが焼き餅を一つサ
ービスしてくれた。嬉しい。
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湖底が青く透けて見える。ここも渇水か。 |
猫さんと土筆さんのコブシ。大きくなりました。 |
狙っていた川に行く前に、小波内の「猫さんと土筆さんのコブシ」に会いに行く。コブシ
はずいぶん大きくなっていた。葉の茂りも大きくなっているし、順調に育っている。セル
フタイマーをセットして一緒に写真を撮る。こうして見ると大きくなっているのがよく分
かる。横を流れる小波内川の水量がずいぶんと少ないのが気になる。車を上流に走らせ、
上桧木内に向かう。目指す川は桧木内川の支流だ。集落の中を走り、川へ下る道を走り、
大きな木の下に車を停めた。長い長いドライブがやっと終わった。
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いつもの川の畔、大きな木の下に車を停めた。 |
川は底の岩盤がむき出しになっていた。 |
車の外に出て、川を見た。そこには見たことのない川があった。愕然とした。黒石が連な
っていた川底は岩盤がむき出しになり、白い岩がゴロゴロしている。おまけに水が少ない
。渇水だという話は聞いていたが、川が姿を変えるほど荒れていたとは。どうしようかと
思ったが、渇水状態はどこも同じだろうから、予定通りこの川に入ることにした。身支度
をして川に入る。空は晴れてグングンと気温が上がってきているので、水に浸かった足首
が冷たくて気持ちいい。橋の上に岩盤むき出しの淵があるので、ダメだろうなという感じ
で毛鉤を打ったら、いきなりアタックがあった。それも小さくて素早いのが。慌ててしま
い外した。「おお、魚はいるじゃないか!」と俄然やる気になった。
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なかなかいい型のヤマメが釣れた。 |
同じようなポイントでヤマメがまた釣れた。 |
長距離ドライブの後なので、足元がおぼつかない。石の上を歩くのがフラフラして毛鉤も
思うところに落とせない。魚の出はポツポツあるのだが、渇水のためかその速いこと速い
こと。とても東北の渓流魚とは思えない速さだ。水が少なくピーカンの晴天、気温がグン
グン上昇し30度になろうかというキチガイ陽気じゃ、魚も神経質にならざるを得ないの
だろう。日陰の深瀬でやっとヤマメが釣れた。なかなかいい引きのヤマメだった。この一
尾で釣れる事が解り、少し余裕が出来た。最初の一尾はいつものことながら嬉しい。
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またまたヤマメが釣れた。 |
それにしても水が少なく、ポイントも少ない。 |
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木の根が大きくえぐられている。 |
広葉樹の根元はえぐられていない。 |
ポンポンとヤマメが釣れた。合わせが合ってきたようだ。毛鉤への不安も無くなった。ク
モの巣が釣りの邪魔をするが、これはこの季節では仕方ないこと。それにしても凄い大水
が出たようだ。太いスギが川に向かって倒れているのは、みな根元をごっそりと洗われた
からだ。深い根の広葉樹はしっかりと残っているのだが、植林されたスギは根の張りが浅
く、そのまま倒れてしまったようだ。遡行が太いスギを乗り越え乗り越えになって神経を
使う。当たりが遠くなった。人の足跡が砂の上にあるのが気になる。いったい、いつの足
跡なのか。それでも岩魚が釣れた。クモの巣もあるので先行者はいなさそうだが・・??
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岩魚が釣れた。 |
イタヤカエデの大木の下で釣れた。 |
中間地点の堰堤に着いた。堰堤の下でいつも釣れる場所があるのだが、第一投で上の枝に
引っかけて万事休す。せっかくのポイントが・・・とほほ。堰堤の上にも足跡があった。
しばし時間をかけて休憩する。脱渓出来ない川なので、このまま遡行するしかないのだ。
先行者の疑念は晴れないが、水が少ないこともあり、いつもの半分くらいの時間で遡行し
ているから、少し休みながら釣りをしたほうがよい。それにしても暑い。額から汗がダラ
ダラと流れ、メガネにかかる。首に巻いたタオルはすでにぐっしょり。帽子にまで汗がし
み出している。6月だというのに、なんでこんなに暑いんだよぉ!。怒鳴りたいようだ。
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堰堤下のプールでは魚が出なかった。 |
唐突に釣れた岩魚。 |
堰堤上の小さいポイントで大きな魚が出た。合わせは合ったのだが、ストライクで痛恨の
合わせ切れ。クモの巣を払ったままで続けていたのが良くなかったようだ。くやしい。デ
カかったのに。フロロカーボンがナイフで切ったようにスパッと切れていた。
その後当たりは遠くなり、水量がガクンと少なくなり、ポイントらしいポイントも無くな
ってしまった。そんな中、唐突に岩魚が釣れた。渕尻で派手に毛鉤を飲み込んで釣られて
くれた。こんな魚ばかりだったら苦労はしない。なんとも嬉しい岩魚だった。丁寧に針を
抜き、流れに戻す。周囲には広葉樹の大木が次々に現れる。イタヤカエデやブナの大木が
目を楽しませてくれる。
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こんなところで唐突に岩魚が釣れた。 |
イタヤカエデの大木が目を楽しませてくれた。 |
そろそろ大堰堤の近くまできた。小さいけど深い流れに毛鉤を打ち込んだ。その毛鉤が小
さい水音とともに消えた。合わせると手元にガンガンという手応え。さほど広くない流れ
の底を大きな魚が上へ下へと泳ぎ回り、糸鳴りがしている。「デカイ!」久しぶりに聞く
フロロカーボンの糸鳴りだ。抜き上げようと腰を入れた瞬間、毛鉤が抜けた。「あああ〜
〜〜〜」へなへなとその場に崩れ落ちた。外れるなよ、まったく
大堰堤には魚が群れ泳いでいた。しかし、私の毛鉤には何ものも反応しなかった。悔しい
が毛鉤で底を釣ることは出来ないので後ろ髪を引かれながら撤退する。汗が流れてメガネ
が濡れる。大堰堤を高巻きして脱渓点の橋に来てしまった。予定よりも3時間も早い。そ
して脱渓点に見つけたのは、大量のミズの葉。まだ瑞々しいミズの葉。やはり先行者がい
た。年に一度のこの川での釣り。こんな事もあるんだよね。脱渓の足がかりになる木の枝
にまだ乾いていない土の跡。釣り人というのは面白いもので、本能的になぜか同じ所を歩
くもののようだ。何だかおかしくて笑ってしまった。
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ブナの林が東北らしさを感じさせる。 |
帰りの林道歩きも暑かった。 |
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別の川で釣れた岩魚。 |
こんな小さな淵で釣れました。 |
林道を1時間歩いて車に戻る。まだ日が高く暑いので別の川に向かう。ここから先はおま
けみたいなものだった。どこも川の水は少なく、魚の気配は無かった。それでも小さいイ
ワナと小さいヤマメが釣れてくれたので良しとする。ショックだったのは、いつも釣れて
いる川でまったく釣れなかったこと。それも夕方の6時から7時の間で・・・なぜ??
いつもは夕方1時間で5〜6尾のヤマメや岩魚が釣れる川なのに、今回はまったく釣れな
かった。まるで狐につままれたようだ。クリオンに着いて、温泉に浸かりながらも頭の中
は「なんで???」がグルグル回っていた。
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別の川で釣れたヤマメ。 |
車に西日が当たっている。暑い1日がやっと終わる。 |
温泉から出て生ビールを飲んだら「??」はすぐ消えた。よおし、秋にリベンジじゃあ!
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