加藤さんと釣り


去年いい釣りをした川に釣りに行ったのだが…


 5月2日と3日加藤さんと釣りに行ってきた。行く先は栃木のいつもの川。去年の同じ
時期に良い釣りをしたことが忘れられず、今年も行ってみようという事になった次第。 
 朝7時に家を出て所沢→鶴ヶ島→白岡→黒磯と走る。ゴールデンウィークの中の平日だ
ったが車は多く、けっこうな混雑ぶりだった。天気は快晴、北西の風が強い。     
 天気が良くて向かい風というのはテンカラ釣りには最悪の環境。今日は難しい釣りにな
るなあなどと思っていた。釣りというのは釣れない言い分けはいくらでもある。こんなに
天気が良いと釣れないというのが今までの経験でわかる。高速から見る山々の頂きに残る
雪も気になるとこだった。まだ雪代が出ているだろうか、午後から出るとしたら、果たし
て釣りになるのか。運転しながら様々な悪い要因が浮かんでしかたがなかった。    

林道終点には車が5台あった。平日でも車が多い。 天気が良くて風が強い。釣りには最悪な天気だ。

 林道終点の駐車場には車が5台。先行者がいるのはわかっていたので、気にせずに身支
度する。林道を歩き始めてすぐ、加藤さんが忘れ物を取りにもどっている間にルアーマン
に先に行かれた。ゆっくり歩いて、竿抜けになることが多い大物ポイントに到着。河原に
下りて準備をしているとそこに人影が……。先ほどのルアーマンが会釈してその場で釣り
始めた。何と何と、狙う場所が同じだったとは……。                
 大物ポイントをあきらめ、上流に向かう。橋から入ったのだが。案の定風は吹き下ろし
の向かい風。レベルラインは風の止み間にしか振ることができない。思い切り振った毛鉤
が自分の足元に落ちるのだからどうしようもない。                 

川の水は思ったよりも多い。さすがにまだ冷たい。 加藤さんもライントラブルで苦戦している。

 天気は快晴。釣りには最悪な天気だ。大きな毛鉤を使う私の釣りでは、魚に見切られる
事が多かった。せっかく出ても毛鉤を咥えずにユーターンする魚が多いこと。まったく嫌
になってしまう。                                
 これはもしかしてボウズを食らうか……と嫌な考えが浮かぶが頭を振って消す。そんな
中でやっとヤマメが出た。何気なく流した流心でポコッと魚の反応があり、合わせると竿
先にビンビンと手応えが伝わる。やっと来た〜〜と岸に引き上げ写真を撮る。ありがたい
ヤマメだった。これでボウズはまぬがれた。きれいなヤマメにしばし見とれる。    

きれいなヤマメが釣れた。 とりあえずボウズをまぬがれて自分撮り。


加藤さんも苦戦している。 風が強くてライントラブルが多い。


きれいなヤマメが釣れた。 こうして見ると本当にヤマメは美しい。

 加藤さんが苦戦している中で二匹目のヤマメが釣れた。これもおなじようなサイズのき
れいなヤマメだった。                              
 第二の橋の手前で加藤さんがヤマメを釣った。パーマークがやけに黒くハッキリしたヤ
マメだった。加藤さんはすぐにリリースする。「なんだかタヌキみたいなヤマメだね」と
笑っていた。これでお互いボウズではなくなったので気楽に釣ることが出来る。    
 しばらく行って平瀬で大きなヤマメが釣れた。一度出て外したのだが、逆光のみずらい
水面を何度も流したら大きな水音を立てて出てくれ、二回目はしっかりフッキングした。
 加藤さんも2尾のヤマメを釣って胸をなで下ろした次第。最後に朝行けなかった大物ポ
イントを探ってみたのだが、空振りに終わった。                  
 5時まで川歩きを楽しんで予約した板室温泉の宿に向かう。            

勝さんもヤマメを釣った。やけに黒いヤマメだった。 すぐにリリースして笑う加藤さん。


いい型のヤマメが釣れた。 なかなか立派なヤマメだった。


いいヤマメを釣って満面の笑み。 日蔭にはまだ雪が残っている。


加藤さん苦戦中。 キクザキイチゲの花がたくさん咲いていた。


大物ポイントは空振りに終わった。 堰堤の水が青くてきれいだ。ここで釣ったことはない。

 宿は板室温泉の山本荘。赤い外観の宿は新しく改装したばかりのよう。二階にある温泉
は眺めが良く矢沢に渡した鯉のぼりが見渡せた。さっぱりした単純泉に体の芯から温まる
ことが出来た。川の水が冷たかったので、温泉に入ったときはしびれるようだった。  
 夕食は部屋食。仲居さんが配膳してくれた。頼んだビールで乾杯。温泉で温まった体に
冷たいビールが染み込む。刺身も天ぷらも肉鍋もおいしかった。           

宿は目立つ色の外観で向かいの市営駐車場に車を停める。 矢沢に渡した鯉のぼりが見事だった。


部屋は三階の角部屋だった。 夕食は豪華なもの。


くつろぐ加藤さん。 刺身の盛り合わせが旨かった。


料理を運んでくれた仲居さん。 旬の山菜が天ぷらで出てきた。


二日目の朝。無風快晴。 チェックアウト。


ゴールデンウィーク後半初日だが車は3台だけ。 昨日脱渓した橋まで歩く。

 二日目も同じ川に入る。昨日釣り終わった場所まで歩いて釣り始める。二日目は風向き
が逆になって釣りやすかったのだが、昨日以上に渋かった。快晴の天気が二日続くのは一
般的にはいいのだろうが、釣りにとっては最悪だ。出るのだが毛鉤を咥えない。そんなの
が延々と続くのだから嫌になる。午前中は見事にボウズ街道まっしぐらだった。    
 お昼のお握りを食べながら落ち込んでいた。なぜ釣れないのか……永遠の課題を突きつ
けられて困惑する63歳のオヤジ。これもまた釣りの醍醐味などと考えてはみるが情けな
い。宿で作ってもらったお握りは大きくてお腹いっぱいになった。加藤さんの背中が丸く
なって何だか寂しそうだ。                            

歩きながら昨日釣ったポイントを見る。 釣り始めた加藤さん。


午前中は全くダメ。あきらめてお握りを食べる。 対岸を釣っている加藤さん。


釣れなくて渋い顔。 加藤さんの背も丸まっている。

 魚は出るがかからない。どうやら毛鉤を咥えていないようだ。こういう時はどうすれば
いいのか…。出会い頭で釣り上げるしかない。流れのあるところを中心に攻める。   
 向こう岸の小さい渕尻で大きなしぶきを上げてアタック。これを会心の合わせでやっと
念願の一匹が釣れた。                              
 やっとの事で釣れたヤマメは本当に嬉しかった。ボウズをまぬがれるというのは第一の
目標なので、それをクリアできたことが素直にうれしかった。            

やっとヤマメが釣れた。 きれいなヤマメだった。


会心のVサイン。 加藤さん苦戦中。

 大きな淵をのぞき込むと魚がユラユラといっぱい泳いでいる。毛鉤では釣れない魚たち
だが、餌釣りならいけるかもしれない。加藤さんは餌釣りの仕掛けを持って来ていたので
話してみたら、やってみるとのこと。後ろで見ていると二投目で大きなヤマメを釣り上げ
た。「やったね〜」と駆け寄ると「餌釣りだけどね」と照れる。これで加藤さんも念願の
ヤマメを釣ってボウズはなくなった。素直に良かった。               

大きな淵にユラユラと魚影がある。 餌釣りで大きなヤマメが釣れた加藤さん。


淵の青がきれいだ。 今の時期ならではのキクザキイチゲ。

 長い淵の淵頭にある岩の裏でアタリがあり、イワナが釣れた。これも嬉しかった。こん
な快晴の日に釣れないというのはよくある事だけど、今日は本当に渋かった。その後も魚
が出ず、最後まで釣れなかった。第三の橋まで来たところで竿をたたんだ。      
 雪渓が残った林道を歩いて下る。まる二日間歩いて足は棒のようになっている。もう少
し足を鍛えないと厳しいなあと実感した。                     

なんとイワナが釣れた。 川の流れがきれいだ。


いたるところにフキノトウが顔を出していた。 雪渓のような雪が残っていた。


釣り終わりの堰堤。 帰り道コゴミ原を発見。大量のコゴミが採れた。

 帰りの高速が込んでいて帰るのが遅くなってしまったが、楽しい二日間を過ごすことが
出来た。同じ時期、同じ場所であっても同じ釣果は得られないという当たり前の結果だっ
たが、次回への楽しみにしたいと思う。                      



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