瀬音の森日記 15
ポストカードを作る
1998.10.15
瀬音の森への第一歩としてポストカードを作る。まずは作品の写真、4×5ポジフィルムか
ら10点を選ぶ。これは私の判断で選ばせてもらった。イラストの作者としてはやはり気に
入ったものを使いたいのだ。
迷って迷って、選んだ10点をスキャナーでMacに取り込みデザイン作業に入る。どうして
もハガキサイズに納まらないイラストをどうハガキの中に納めるか?瀬音の森のマークをど
う表現するか?微妙なデザイン作業が進む。
何回もやり直しながら、徐々に形になっていくが、何とも余白の使い方が難しい。デザイン
にOKを出したのは3日目の事だった。10点のバランスを考えながらまとめるのも難しい
作業だった。早速、瀬音の森ホームページのニュースコーナーにデザインをアップする。
すぐに印刷屋さんを呼んで打ち合わせする。色の調子の指示、裏表の確認などを行い、印刷
依頼する。初校(初めての色校)に期待する。
9月25日、第一回目の色校。テーブルに広げられた10枚のポストカードの色校正を見て
愕然としてしまう。原画の色がまったく出ていないのだ。何という事だ。印刷会社の担当者
に詰め寄って原因を聞くが要領を得ない返事しか帰ってこない。このままではとても製品に
は出来ない。
製版の時に色分解の指定が甘かったようだ。やり直しだ。
9月28日、再色校。心配した通り、やはり色が出ていない・・・・頭をかかえてしまう。
今回は10点のうち2点は良かったのだが、全体としてはお話にならないくらい色が出てい
ない。これは出力されたプリントの色を見ているせいかも知れない。プリンターはトナー着
色のため同じ4色刷りでも印刷より鮮やかで濃い色になるからだ。だからといって妥協は出
来ないし・・・どうしようか・・・・・
しばらく悩んで、デザインをやり直すことに決めた。今までのものは使えない。こうなれば
デザインを変えるしかない。全てのイラストを縮小して、影をつけ、余白の上部中央に瀬音
の森のマークをつける共通のスタイルにすることにした。すぐにデザイナーにやり直しを指
示して、印刷屋さんには帰ってもらう。さあ、時間がなくなってきた。急がなくては。
他の仕事もバタバタと忙しく、デザインが上がったのが10月5日。すぐに印刷屋さんに発
注し、注目の色校出しが12日という忙しさだ。15日には個展の案内状を発送する予定な
のである。その案内状の中にポストカードをサンプルとして1枚ずつ入れる予定だったのだ
が、果たして間に合うか?
10月12日、デザイン直しの色校。10点のポストカードをパラパラとテーブルの上に広
げる担当者。そのカードを見た瞬間「OK、これでいこう」という声が自然と出た。奇跡的に
何の問題もなく出来上がっていた。すぐに印刷手配をしてもらう10種類のポストカードの
発注である。14日の刷り出しにデザイナーが立ち会うことにして、ひとまずホッとした。
何とか間に合いそうだ。
14日、印刷の刷りだしに立ち会ったデザイナーが戻ってきて言う「OKでした。夕方には印
刷が終わって納品されるそうです。」よしやった、これで間に合う。サンプルを見ながら一
人でニヤニヤしてしまう。
夕方、ポストカードが納品された。一点一点抜き出してチェックする。
「よおし、完璧!」
10種類をテーブルに並べて、しばし感慨にふける。デザイナーと一緒に出来上がりの確認
をする・・・思ったよりも良い出来だ。一時はどうなるかと思ったのだが・・・デザインの
ちからは偉大である。
さあ、案内状に1枚ずつ入れなくては・・・・
良かったよかった、あとはまた明日から。