瀬音の森日記 28


瀬音の森憲章



1999. 1. 19

高橋さんの友人の力を借りて瀬音の森憲章の序章が出来た。2案あり、どちらに
しようか迷ったのだが、相談の結果最初の案を採用する事にした。そして、これ
にいくつかの基本的な考え方を織り込んで「瀬音の森憲章」を作成した。   

内容についてはほとんど高橋さんの考えた内容であり、ここで発表するのはさも
自分で考えたように見えて恥ずかしいのだが、大事な文章なのでこの場で発表さ
せていただく事にした。                         


             序章                     

   木は森となり、森の雨は川となり、川は海へ降りていく。       
   海は生き物をつくり、生き物は神の時間を経て、           
   虫となり、魚となり、鳥となり、獣となり、人となった。       
   その中で、人だけが森と川と海の赦しを忘れた。           
   森に赦されるには、木々をわたる風と霧の匂いをきき、        
   川に赦されるには、せせらぎに浸り、                
   海に赦されるには、波間に漂うことだ。               

   私たちはもはや都市から離れて生きられない。            
   しかし、森のない惑星で生きることもできない。           
   気付いて、悔やんで、あきらめるか。                
   気付いて、悔やんで、戦うか。                   

   生き物は海で生まれ、森で愛され、                 
   飛び、泳ぎ、歩いて生きてきたことを思い出して、          
   私たちがほんとうに欲しいもののために、              
   瀬音の森の物語を創りだす。                    


___________________________________ 

              瀬音の森憲章                


  私たち瀬音の森会員は、ここに参加する一人一人が自然を慈しみ、豊   
  かな自然を未来に伝えるためにこの憲章を定める。           


1 私たちは、豊かな渓流を育み、それを後世に伝えるため、ボランティ   
  アによる森づくりと各種の活動により環境の保護を図り、子どもの健   
  全育成と社会教育の推進を図るものである。              

2 「瀬音の森」は、釣り人を中心とした川を愛する人がつくる森の総称   
  である。そこでは、川を愛する人ならではの川と森と生き物に関する   
  知識と経験と技術を活かした森づくりが行われる。           

3 「瀬音の森」は全国につくられる。各地の既存の団体と緊密な連携を   
  図り、地域の森づくりに積極的に参加し、川を愛する森づくりという   
  本来の目的を達成する。                       

4 全国の「瀬音の森」はネットワークで結ばれる。すなわち、「瀬音の   
  森」は「地域の森の一部」であると同時に「瀬音の森の一部」となる。  

5 私たちは豊かな自然を未来に伝えるために活動する。自然に接し、遊   
  び、学び、体験し、その知識、経験、技術を未来に伝える。       

___________________________________ 

これは設立総会の招集通知の中に折り込まれて、初めて会員の目に触れる事にな
る。内容についてはまだまだ深化すると思うし、これを後生大事に守っていくも
のではなくて、時代に応じて変化して良いのだと思う。           

短い文章で瀬音の森の何たるか・・を伝える事の難しさを痛感している。   

・・・・あとはまた明日から。