瀬音の森日記 36


山便り 雪かき



1999. 2.14


武甲山は先日の雪で真っ白になっている。車は夏タイヤのままなので、道に雪が
残っていると大変な事になる。このままではヤバイかな?と思ったが、え〜〜い
ままよ!! 行けるとこまで行ってやれっ・・・。と、いつもの林道を登ってい
く。                                  

別荘地を過ぎたあたりから雪が増えてきたが、どうやら除雪車が入ったようで何
とか走れるので助かった。ところが、最後の登りで面食らう。最後の急な場所だ
け除雪してないのだ。スリップしながら登る。斜度がきついので車を止めたらそ
の場で終わりだからゆっくりジワジワ登っていく。やっとの思いで一番上の守屋
さんの駐車場にたどりついた。                      

このままでは下る時に滑って事故を起こしかねないので、守屋さんに角スコップ
を借りて道路の除雪をする事にした。角スコップを手に、長靴でズルズル滑りな
がら道を下る。とりあえず片側だけでも除雪しようと、タイヤの幅分の雪を掘り
返す。                                 

積もっている雪は10センチくらいなのだが、タイヤに踏まれて圧雪になってい
るので堅い。道路の砂利を掘るような感じで雪と道路の隙間にスコップをこじ入
れて圧雪をひっくり返すように除雪する。                 

200メートルくらいの距離なのだが、かなり時間がかかった。炭焼き小屋の横
まで除雪して、今度は小屋の駐車場の雪を除雪することにした。ここの雪を除雪
しないと作業が出来ないのだ。                      

雪かきをしている間に何人もの登山者が横を通り抜けて武甲山に登っていった。
「たいへんですね・・」「ご苦労さまです」などと必ず声をかけてくれる。本当
に登山者はマナーがいい。それにしても、この雪の山へ普通の仕度で登る登山者
の多い事。簡単ではないだろうに、本当に山が好きなんだなあ・・と感心する。

ハンターが鉄砲を肩にして山から降りてきた。明日(2月15日)で狩猟期間が
終わるので、最後の猟に出ていたのだろう。聞くと「最後なのでグルッと山をひ
と回りして来たのだが獲物はいなかった」との事。この雪であたたかい場所に移
動したのだろうと言っていた。犬を連れていないので不思議に思って聞いてみる
と、「自分は山鳥撃ちで、そっと近づかなければいけないので、犬は連れていな
いのだ」と言う。                            

考えて見れば、獲物によって使う銃弾の種類なども違う訳だし、獲物を探す場所
も違うはずだ。山鳥を狙うハンターが犬を連れていないのは当然と言えば当然の
話なのだ。明日で猟期も終わる。山の動物達もひと安心というところか?   

雪かきだけで午前中は終わり。                      

午後は例によって薪割り。20束のヒノキの薪を作って今日は終わり。ある人か
ら薪の値段を聞いていた。それによるとナラなどの広葉樹の薪が(45センチ長
直径22センチ)300円から500円。針葉樹は150円から400円だそう
である。1日100束から120束を作れればほぼ採算に合うところだそうだ。

1束300円として、100束で3万円。しかし、100束の薪を作るのは容易
な事ではない。一日中チェーンソーで玉切りし、マサカリを振り続けるなんて、
今の体力ではとても無理だ。若い人が体を鍛えるためにやるのならまだしも、体
中が筋肉痛で動けなくなってしまうだろう。                

今日は雪かきで予想以上に体力を消耗しているので、薪割りもこのくらいでいい
だろう・・・と自分で自分に言い訳をしている。ここは3時には日が沈み、グン
と寒さが増してくるので、雪の上での午後の作業はつらいのだ。この寒さでは当
分この雪は溶けないだろう。春はまだ遠い。                

さあ、体力を回復させて・・・あとはまた明日から。