瀬音の森日記 6
ジグソーパズル
1998.7.24
東陽町の駅からタクシーでちょっと走ったところに(株)テンヨーという会社がある。
ここに友人の下村さんが勤めている。下村さんはマジシャンとして一流の腕を持つサラリ
ーマンで、テンヨーでマジック関連商品の企画・開発を担当している。
きれいなビルの7階の応接間は玩具メーカーならではのカラフルな内装で、まるでおとぎ
話の中の書斎のようである。壁には製品になったジグソーパズルがズラリと並んでいる。
下村さんはその一つ一つを丁寧に説明してくれる。私が今日ここに来たのは、私の個展の
イラストでジグソーパズルが作れないだろうか・・と思ったからである。
すでにポストカードの作成は決めて作業を進めているのだが、瀬音の森の将来を考えると
まだまだパワーが小さいので、他の商品を開発しなくては・・と考えていた時に、下村さ
んの顔が浮かんだのである。「そうだ、下村さんのところは確かジグソーパズルを作って
いたはずだ・・」そんな訳で電話して会社に伺う事になったという訳である。
下村さんはバスフィッシャーでもある。作品の写真を見ながらしきりに「バスは無いの?
バスがあれば売れるのになあ・・・」と言う。そういえば、この写真を撮影してくれたカ
メラマンの佐藤さんもバスフィッシャーで同じ事を言っていたっけ。
私としてはバスに興味が無い訳ではないが、今のところヤマメ・岩魚の類にこだわりたい
気持ちが強く、言葉を濁してしまった。第一私はバスを釣った事が無い。将来はバスの絵
も描くようになるのかなあ??? でも「瀬音の森」は渓流だしなあ・・・売れればいい
というものでもないし・・・・
ジグソーパズルは費用とサイズを考えて、300ピースのものにした。フレームは木製で
専用のものとしてセットで販売しようという事にして見積もってもらった。最少ロットを
聞いたところ何と1000個だとの事。
う・・・・・うわあ そんなに多いのか〜〜
300ピースパズル1000個 製作代53万円 フレーム代95万円、会わせて148
万円である。デザイン代も版下代も箱代も含まれない、ましてや発送代も含まれない金額
である。・・・・う、高い。
いったいいくらで売れば瀬音の森基金になるのか?第一1000個も捌けるのか?一体そ
の保管はどうするんだ? う〜〜〜ん見積書を見ながら頭をかかえてしまった。そりゃあ
5000円で売れば500万にはなる計算だが、1000人も買う人はいないだろう。
だいたい、ポストカードですら何枚売れるか分からないのに、ジグソーパズルを作る金が
どこにあるんだ。売れなくても先に150万も払わなくてはいけないのだ。いかに何でも
フリーハンドに払わせるのは無謀だし、そんな金もない・・・
これは今後検討する事にしよう。リスクが大きすぎる。
う〜〜ん、あとはまた明日から。