瀬音の森日記 74
「きのこの森」草刈りと間伐
1999. 7. 31
暑い暑い7月最後の土曜日、中央高速は八王子バス停から50キロの渋滞だった。
それを逃げて奥多摩から大菩薩ラインを走り勝沼に抜けたのだが、こちらも混んで
いて1時に須玉インターに着く予定が2時半の到着になってしまった。おおよしき
りさんはすでに山荘に到着していた。
山荘で一休みしてから買いだしに行く。今晩の食料と草刈り鎌を買う。町有地の草
刈りを始めたのは3時半。私は買ったばかりの草刈り鎌を使いカヤの茂る草原と格
闘する。おおよしきりさんは草刈り機を使ってエンジン音も勇ましく機械刈りだ。
平らな場所は機械刈りの方が楽に刈れるが、斜面は手刈りの方が道具が軽い分有利
だ。豆科のツルが密生している場所があり、ここも機械刈りよりも鎌の方が楽に刈
る事が出来た。こうして同時に作業をやってみるとそれぞれの長所が良く分かる。
機械刈りのネックは腰への負担が大きい事。これはおおよしきりさんの様子を見て
私が感じた印象。手刈りのネックは使う人間のスタミナ。この炎天下では体力が続
かず、休み休みの作業になってしまう。特に水分の補給は不可欠で、滝のような汗
が全身を流れるから水分をどんどん補給しなければならない。
見える範囲を刈り終わる頃にはもう体力が消耗しきってしまった。スタミナ切れで
ある。明日もある事だからと5時半にとりあえず草刈りは終了した。水場で鎌を研
ぐ。刃こぼれがかなりあるので鎌用の荒砥石でていねいに研ぐ。ひたすら無心に鎌
を研ぐ。冷たい缶ビールを飲みながらひたすら鎌を研ぐ。
研ぎ終わった鎌を置いて、おおよしきりさんと森の散歩。明日の作業を確認しなが
ら缶ビールを片手にゆっくりと森を歩く。手入れをされた森を歩くのはとても気持
ちいいものだ。
山荘に帰りシャワーを浴びてベランダで夕食。心地よい酔いが体を浸していく。ノ
コギリクワガタが飛んできた。大きなノコギリを振り上げて威嚇する元気な虫と遊
びながら一日目が終わった。
翌日は朝6時起床。ぐっすり寝たので頭はすっきりしている。すぐに顔を洗って着
替え、チェーンソー、鳶口、ノコギリを持って森に行く。朝食の前に昨日決めた間
伐をやってしまおうというのだ。暑い夏は涼しい午前中に作業するに限る。
松林の中の復層林の手入れだ。細くひょろひょろしている木を取り除いて太い木を
より太くするための作業だ。もちろん笹や灌木も取り除く。3〜5センチくらいの
太さの木が多いのでチェーンソーは使わずにノコギリでスパスパ切っていく。切っ
た木は枯れてから片づけるのでまとめておく。
切る木はネジキ、リョウブ、ウルシなどが主で、まれにクヌギ、ヤマザクラなどが
ある。特にこの林にはネジキが多いので大変だ。ウルシなどは何十本切っただろう
か?今回はウルシにかぶれても仕方ないかもしれない。
作業を始めて2時間。だいぶ林の見通しが良くなってきた。数え切れない数のネジ
キ、リョウブ、ウルシを切り倒し、立ち枯れの木も全て取り除いた。林内は明るく
なり向こう側が見えるようになってきた。一段落したところで今回もエネルギー切
れ。水分補給も必要になったので作業を終了した。朝食前に出来る事はやはり限界
がある。どうも私の体内エネルギーはフル回転すると2時間で切れるようだ。
山荘に帰り、シャワーを浴びて朝食。朝採りブルーベリーの酸味が疲れた体に心地
良くしみこんでいく。食べたものがエネルギーに変わるという事を実感出来る食事
だった。
今回の山仕事で感じた事。大量の汗をかく私は山荘のシャワーがとてもありがたか
った。こういったシャワー設備というのは普通の山仕事現場では考えられない事な
ので、実際の山仕事ボランティアを募る際に、着替えの場所や方法というのを考え
ておかないといけないと思った。特に下刈りなどの夏場の作業はこの問題をクリア
しておかないと参加者も困るのではないだろうか? 今後の活動の主催者に考えて
おいてほしい事の一つだ。
さあ帰ったら自宅の裏の草むしりだ・・・あとはまた明日から。