瀬音の森日記 92


森林インストラクターとは



1999. 11. 17


森林インストラクターとはいかなるものなのか、どんな試験があり、どうすればなれる
のかを書いてみたい。もし、森林インストラクターに興味のある方がいたら参考にして
頂きたい。以下は、全国森林インストラクター会の資料による。          

森林インストラクターとは、森林を利用する一般の人に対して、森林や林業に関する知
識を与え、森林の案内や森林内での野外活動の指導を行うものをいう。(社)全国レク
リエーション協会が農林水産大臣の認定を受けて実施する森林インストラクター資格試
験に合格し、同協会に登録することにより資格を得る。              

資格試験は一次試験として筆記試験、その合格者に対して二次試験として実技試験と面
接がある。一次、二次ともに年一回の試験である。資格試験の目的は、森林インストラ
クターとして必要な知識及び技能の水準が一般の人達に適切な知識の付与及び指導を行
うのに十分な水準を有しているかを判定するもの。                

・応募資格:20歳以上の人                          
・受験手数料:15.000円ほか雑費                       
・日時・場所:一次試験:毎年1回、9月下旬の1日間。東京・大阪・福岡・高知にて
       二次試験:毎年1回、11月下旬。東京にて。           
・筆記試験の科目と内容、試験時間                       
 1、森林(1時間20分):●森林の仕組み、植生の推移 ●樹木、森林の動植物 
   ●森林の地質、土壌と水分 ●その他森林に関すること           
 2、林業(1時間20分):●山村と農林業 ●森林の効用 ●森林の施業 ●木材
   及び特用林産物(きのこを含む)の利用 ●その他林業に関すること     
 3、森林内の野外活動(1時間):●森林レクリエーション ●キャンピング ●ネ
   イチャークラフト ●その他森林内の野外活動に関すること         
 4、安全及び教育(1時間):●安全の知識(気象を含む)、救急処置法 ●環境教
   育、自然保護 ●指導技術、企画の立て方 ●その他安全及び教育に関すること

 ・筆記試験は、科目別に合否が判定され、一部科目に合格すればその年を含めて3年
  間に限り、その科目の試験が免除される。                  
 ・実技試験は、筆記試験の合格者に対して合格後2ヶ月以内に行われる。その内容は
  ●自己紹介                                
  ●受験動機を話す                             
  ●実物の素材を使って、親子ペアを対象に5分以内で森林インストラクターの模擬
   演技をする                               
  ●試験委員の質問に答える                         
  ●時間は15分                              
・試験合格者の公表:毎年12月上旬に公表され、本人に通知される。       

以上のような内容と手順で森林インストラクターになる事が出来る。で、実際どんな傾
向にあるかを平成9年の例で見ると・・・受験申込者753名、合格者125名、合格
率16、6%。関東が全体の40%を占め、職業別では公務員(主として国有林職員及
び地方公共団体林務関係職員)が50%を超える。森林・林業の経験者が中心だが、こ
れは当然だと言える。次に多いのが学校の先生、これも良く分かる。ほとんどプロの資
格試験とも言えるような傾向だ。                        

次に勉強の為の参考書を列記すると以下の通り。                 
●私達の森林(中・高校生、一般向け):日本林業技術協会発行 TEL03-3261-5281
●林業白書(最新年度版)政府刊行物サービシセンター 大手町TEL03-3211-7786
●日本のきのこ(株)山と渓谷社 TEL 03-3831-4055             
●木材の実際知識 (株)東洋経済新報社 TEL 03-3264-5467         
●「応急手当」イザ 高橋有二著 保健同人社発行 TEL 03-3234-6111     
●これなら安心ー山歩き入門 主婦と生活社 TEL 03-3563-5121        
●レクリエーション入門 日本レクリエーション協会 TEL 03-3265-1335    
●アウトドアライフ・ハンドブック(株)新星出版社 TEL 03-3831-0743    
●森の動物・昆虫学のすすめ 西口親雄著 八坂書房 TEL 03-3293-7975    
●森林インストラクター入門 全国林業改良普及協会 TEL 03-3583-8461    
●グリーンセミナー(新しい自然観察の手帖)山中寅文編著 誠文堂新光社     
 TEL 03-5999-5121                            
●森林はなぜ必要か 只木良也著 小峰書店 TEL 03-3357-3521        
●人間にとって森林とは何か 菅原聡著 講談社 TEL 03-3945-1111      
●森と人間の文化史 只木良也著 日本放送出版(NHKブックス560)       
●アマチュア森林学のすすめ-ブナの森への招待- 西口親雄著 八坂書房      
 TEL 03-3293-7975                            
●街の自然観察 矢野亮著 筑摩書房 TEL 048-651-0053           
●話力における表現力・聴解力の研究 永崎一則著 小林出版 TEL 03-5453-4009
●森林と日本人-森の心に迫る- 北村昌美著 小学館 TEL 03-3230-5739    
●森林の百科事典 丸善株式会社 18.540円 TEL 03-5684-5571        

いずれも必要な本なのだが、これだけ並ぶと一体どれから手を付けたら良いのか・・・

ところが森林インストラクターとしての知識・技術は体験によるしかないと本に書いて
ある。樹木にしても森林の知識にしても、本の知識ではなく、実際に体験して実物を知
る事が一番の勉強法だという事だ。それから、これは重要な点なのだが、記述式の問題
が非常に多い事だ。こうしてワープロやパソコンに慣れてしまった身には、かなり苦痛
な試験となる。ちなみに、問題集を買ってきて解答例だけを筆記してみたのだが、森林
の問題の解答例を筆記するだけで、なんと1時間20分以上かかってしまったのだ。 

こ、これでは、考えている時間がない!・・・・別の意味で難しい試験だと分かった。

ま、先は長いし・・・・あとはまた明日から。